チェルノブイリ原発全体を覆う「放射能を封じ込める石棺」が崩壊寸前! 大量の放射線流出… 人類史上最大のシェルター遂に稼働!

“史上最悪の原発事故”と称されるチェルノブイリ原発事故から33年――。ここにきて、危険な事故現場の“封じ込め”作業が、新たな段階を迎えている。

チェルノブイリ4号炉の“石棺”が倒壊寸前

 1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所4号炉の原子炉の炉心がルーティーンの安全性試験中に露出し、放射性物質が空気中に放出された。そしてその後、運用システムが制御不能状態となり爆発。広範囲を放射能汚染に巻き込む最悪の事態となった。

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画像は「Wikipedia」より

 事故直後からソ連当局の必死の事故処理が行われ、2カ月間で約60万人の人員が投入されて作業に従事し、原子炉の周囲に大規模な覆いを作り、炉心溶融物、ウラン、プルトニウムなどの放射性物質の“封じ込め”が進められた。この間の作業で多くの労働者が危険なレベルの放射線にさらされ、少なくとも31人が急性放射線障害で死亡している。

 いわゆる“石棺(sarcophagus)”と呼ばれる4号炉を覆うカバーはきわめて頑丈に設計され、40万立方メートルのコンクリートと約1600万ポンドの鋼鉄が使われた。一刻も早い完成が求められ、加えて作業員ができる限り被ばくしないように急ピッチで建設が進められたこともあり、建物の一部を完全に封鎖することができず密閉に失敗してしまう。

 また、天井の一部に穴が開いていたため水が浸入して腐食が進行することにもなった。このまま放置すれば、原子炉建屋そのものが崩壊することになり、事故直後の危機が再来してしまうのだ。

 チェルノブイリ原発跡地を管理しているウクライナの企業「SSE Chernobyl NPP」によれば、専門家の評価により現在の石棺が「非常に高い確率」で崩壊の可能性があるとの声明をネット上で表明している。倒壊する前に解体するしか手は残されていないのだ。同社によれば現在、石棺は重力のみで支持ブロック上に保たれているに過ぎないという。

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「Science Alert」の記事より

■“新たな”石棺が公開される

 近い将来に迫り来るチェルノブイリ原子力発電所4号炉建屋の倒壊に対処すべく、2011年から新たな石棺となる「新安全閉じ込め設備(New Safe Confinement)」、つまり安全シェルターの建設が始まった。

 石棺ごと覆うこの設備の建設はきわめて大がかりなもので、いったんイタリアに集積された建築資材は18隻の船と2500台のトラックで現場に届けられた。そして結果的には人類史上、最大の建造物となった重量3万2000トンにも達するこの新たな移動式シェルターは2016年に完成した。

 先ごろ、この安全シェルターが初めてマスコミに公開されると同時に、今後の石棺、さらには4号炉建屋解体に向けた長期的ロードマップが示されることになった。

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