中台関係が急速悪化…「香港警察支持」表明の中国人歌手も、台湾でのライブが中止に
香港の「逃亡犯条例」をめぐるデモ隊と警察の攻防は泥沼化の様相を呈している。8月13日には、中国共産党系メディア「環球時報」の記者がデモ参加者から暴行される事件が発生。その記者が「私は香港警察を支持する。あなたたち(デモ参加者)は私を殴っても構わない」と発言すると、多くの中国人タレントがSNSでリツイート。中国のネット民から喝采を浴びている。
しかし、中国政府が主張する「一つの中国」とは相容れない台湾では、中国政府寄りの発言をした芸能人が活動できなくなるというケースも出始めている。
「香港01」(8月18日付)などによると、中国の男性アーティスト、徐真真が17日に台北市で行う予定だったライブが中止になった。一行が台湾に到着すると、主催者から、14日にリツイートした香港警察支持の投稿を削除するよう求められたものの、それに応じなかったために、中止に追い込まれたようだ。
これについて徐真真が中国版Twitter「微博」公式アカウントで報告したところ、フォロワーからは「かっこよすぎる!」「問題ない。あっち(台湾)の人たちにあなたの歌は合わない」といった称賛の声が殺到した。
一方、ライブが行われる予定だった「THE WALL LIVE HOUSE」もFacebookの公式アカウントで事情を説明。それによると、徐真真の投稿が治安上の問題を与える可能性があるため、さまざまな提案をしたが、徐真真側が応じなかった。しかも、話し合いを一方的に録音し、主催者側の不利になるような発言を切り取り、政治的話題を持ち出してきたことに遺憾の意を表明。「言論と表現の自由は尊重しているものの、会場とスタッフの安全の自由を選んだ」と釈明した。それに対してユーザーからは「THE WALLを支持する!」「問題ない、中国に帰れ!」といった対応を支持するコメントが多かったが、「そもそも徐真真って誰?」という冷静な書き込みも多かった。
香港デモに対する立場の違い以外にも、中国が台湾への個人旅行を規制したり、米国が台湾への新型F-16戦闘機の販売を決定したことに中国が反発したりと、中台関係は急速に悪化している。そんな中、香港、台湾、中国を股にかけて活動する芸能人は、難しい立場にあるといえそうだ。
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