薩摩硫黄島の噴火は日本滅亡の始まりか!? 1億人「瞬殺」破局噴火の前兆… 「世界一危険な火山」に異変?
そして、今年1月には鹿児島県・口永良部島の新岳が噴火したが、すぐ北東の海底に鬼界カルデラが位置するため、カルデラ噴火につながる可能性を懸念する声が火山学者からも上がった。この時、火山学者の高橋正樹・日本大学文理学部地球科学科教授は、口永良部島の噴火と鬼界カルデラに直接の関係はないとしながらも、「やはり予兆があるとすれば、鬼界カルデラの一部である薩摩硫黄島の火山活動に現れるでしょう」(AERA.dot、2019年1月19日)と述べた。それから10カ月後、薩摩硫黄島が噴火したことで、これがカルデラ噴火の「予兆」となる可能性が一気に高まってきたことになるだろう。
■100年に1%の確率は決して低くない!
もちろん、薩摩硫黄島の噴火がすぐにカルデラ噴火に結び付くものではない。しかし、だからと言ってこれを軽く見るのは知識の欠如によるものと指摘せざるを得ない。なにしろ、6700年に一度は起きるという破局噴火が、過去7300年間にわたり起きていない現状があるのだ。東京大学名誉教授・火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣名誉氏は「カルデラ噴火はもはや、いつ起こっても不思議がない現象なのです」(NHKそなえる防災)とまで語っている。
2014年、前述の巽教授らは日本で破局噴火が起こる確率を「100年以内に1%」と見積もった。こう聞くと差し迫った状況ではないように感じるかもいれないが、ひとたび起きれば「日本の終わり」も絵空事ではなくなるのが破局噴火である。研究者らが観測や研究の強化を求めているというのも頷ける。地域別に見ると、過去に破局噴火が起きたのは九州が最多、次は北海道から東北にかけてとなる。首都圏に近い箱根山で起きている点も見逃せない。
その時、我々には何ができるのか、政府レベルで真剣に検討すべき課題だろう。
参考:「産経ニュース」、ほか
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