3万円で葬式が出せるDIY葬儀を徹底解説『DIY葬儀ハンドブック』著者インタビュー! 遺体の処置、運搬、棺桶、骨壷の選び方まで

 TOCANAでも活躍中のサブカル系ライター、松本祐貴氏は、夫婦揃って世界一周を達成し、『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)なんていうクレイジーな旅本も書いている。僕の最狂旅本『クレイジートリップ』(三才ブックス)のときには、インタビュワーを勤めてもらったほどだ。そんな彼がいきなり“葬儀の本”を出したという。これはどういうことだ!?

 ちなみに、僕も3年前に父が亡くなり喪主を経験している。実際、ネットの情報だけで葬儀という重要なことを決めていいものかは迷うところだろう。さて、松本祐貴著『DIY葬儀ハンドブック』は、本の装丁やイラストもサブカル風味、気軽に手に取れる仕上がりながら、内容は徹底的に具体的なのがうれしい。「葬儀って、どういうこと?」「人が死ぬと何をするの?」といった好奇心から「突然、親が亡くなりました。どうしよう!」という切羽詰まった人まで、とにかく、葬儀のリアリティに迫れるハンドブックだ。さっそく、著者である松本氏に話を聞いた。 

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松本祐貴氏

――『泥酔夫婦世界一周』で知られる松本くんが、なぜいきなり葬儀の本を作ったの?

「担当編集者から声をかけられて、DIYの葬儀の本を作らないかと。実は僕も2年前に父の葬儀の喪主をやった経験があって、こういう本があったら便利だったろうなと思っていました」

――そうなんだ。僕は自分の父が亡くなったときは、一番最初に死体写真家の釣崎清隆に連絡して写真を撮ってもらったけどね(『バースト・ジェネレーション』創刊号に掲載)。DIYでやるポイントは、葬儀にかかる費用を安くできるということなのかな?

「葬儀社の業界は、ぼったくりがひどいと言われています。ネットで見つけた業者だと、携帯で指示だけ出して、下請け業者に丸投げとか。大手は大手で、普通の1.5倍から2倍の費用がかかります。広告費も人件費もかかっているから仕方ないですが、それだけのクオリティが保たれているのかはわかりません。とはいえ、中堅の老舗も先代は良かったけど、2代目、3代目になるとわからなかったり。

 結局はたまたま最初に電話に出た担当者が最後までちゃんと面倒をみてくれるかどうか。いろんなところに相談に行くしかないんです。実は、葬儀社になるのに資格なんていらない、国の法律もないですから。人生にとってすごく大事なことなのに、この本を作るためにいろいろと調べてみると、葬儀があこぎな商売になっていて、とてもショックでした」

――実際に葬儀社に取材して情報を集めたそうですね。DIYで葬儀をやられちゃうと商売上がったり、「これは秘密だよ」みたいなことは言われなかったの?

「全然ありませんでした。結構、皆さん、ぶっちゃけ喋ってくれました。でも、『自分じゃ、できないんじゃないの?』とは、しつこく言われました。普通は仏式だと、お寺だから、そこでお金がかかります。戒名って、思っているよりも高いですし。葬儀には、一般葬、家族葬、一日葬、直葬とあって、DIYでやれるのは直葬ということになります。個人的には宗教的な問題がないなら、お墓もいらないと思っています」

――具体的には、ネットで棺桶や骨壺を買っちゃってするんだよね。だいたい、遺体の運搬って、自分でやっていいんだっけ?

「死亡届があれば、遺体の運搬については問題はないです。棺桶や骨壺は、自分でやるときには必要ですからね。一番難しいのは、遺体の処理、遺体の搬送、火葬場の予約なんですけど、それだけプロに頼んじゃえば、あとは自分でできますよ」

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