「サイコパスに裏切られる衝撃と、日本にも拡大する“殺人の病巣”」映画『テッド・バンディ』監督
「サイコパスに裏切られる衝撃と、日本にも拡大する“殺人の病巣”」映画『テッド・バンディ』監督、シリアルキラーを語る!
――バンディが殺人を犯していた時代から、社会状況は大きく変わりました。アメリカでは今後、シリアルキラーは増えていくと思いますか?
バリンジャー 連続殺人者の数は増えていないと思っています。FBIは常に25から50人の連続殺人犯がいると予測しており、恐ろしいことにその数字は現在もずっと変わっていません。連続殺人者は残念ながら今までも存在し、これからも存在すると思います。バンディの時代から、法医学や警察の情報網、テクノロジーの発達という変化はありますが、それらと連続殺人者の数とは直接的な繋がりはないと思っています。
――時代が変わっても、連続殺人者は変わらず存在しているんですね。
バリンジャー 変化という意味では、古典的な連続殺人とは異なる”銃乱射事件”という新しい形の殺人が生まれています。多くのケースで犯人は若者で、怒りを爆発させて殺人を犯し、自殺します。私にはこれは”病”だと思いますし、アメリカではこの5、6年毎週のように起こっています。日本でも銃は使われないものの、無差別殺人が起こっているということを今回の来日で知って非常に驚きました。病巣は日本でも広がっているのだと思いました。
世界的に見たアメリカの連続殺人者の多さと、銃乱射事件の多さを見ると、やはりアメリカ特有の何かがあると考えざるを得ません。例え連続殺人者の手にかからなくても、何らかの暴力的な行為に遭遇することで死に至る可能性は変わらないと思っています。
――連続殺人鬼は、しばしば「悪魔主義(サタニズム)」と結びつけて語られます。監督ご自身は、悪魔や天使は存在すると思いますか?バンディは悪魔に取り憑かれていたのでしょうか?
バリンジャー 私は悪魔や天使の存在を信じていません。これらは人間よりも大きな存在や、「人間性」というものを人が解釈し理解するために生み出されたものだと思っています。ですから、バンディが悪魔に憑依されていたとも思いません。ただ、私はとてもスピリチュアルな人間なので、物事には秩序があり、人間の振る舞いには普遍的な法則があると信じてはいます。
――悪魔や天使は、人の心に存在するということでしょうか。
バリンジャー そうです。ただ「邪悪」といわれる邪悪な行為や、邪悪な人物は存在すると思っています。人は誰しも、善も悪も同時に行う能力とキャパシティがあるし、両方の側面を持つのが人間の本質だと思うのです。
(取材・文=都田ミツコ)
映画『テッド・バンディ』
12月20日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
オフィシャルサイト:http://www.phantom-film.com/tedbundy/
(C)2018 Wicked Nevada,LLC
■あらすじ
「グレイテスト・ショーマン」のザック・エフロンが、30人以上の女性を惨殺した実在の殺人鬼を演じた犯罪ドラマ。1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。テッド役のエフロンのほか、リリー・コリンズ、ジョン・マルコビッチらが脇を固める。監督は、同じくテッド・バンディを題材としたNetflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ「殺人鬼との対談 テッド・バンディの場合」を手がけたジョー・バリンジャー。
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2024.10.02 20:00心霊「サイコパスに裏切られる衝撃と、日本にも拡大する“殺人の病巣”」映画『テッド・バンディ』監督、シリアルキラーを語る!のページです。連続殺人鬼、テッド・バンディ、ジョー・バリンジャーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで