「未知の島・シフ」が南極の氷河が解けて出現! 学者興奮、驚きの分析結果とは!?
先月には観測史上初の気温20度超えを記録するなど、南極大陸を覆う氷河の融解が止まらない。しかし、そのおかげでもたらされた発見もあるようだ。つい先日、南極で新しい島が発見されたのだ。
■南極の“神秘のヴェール”が取り除かれる
いわゆる“地球温暖化”により、北極と南極の氷がかつてないスピードで融けはじめている。
これによって懸念されているのが海面上昇で、海抜の低い地域に深刻なリスクをもたらし、高潮や津波による被害も大きくなることが予測されている。
しかしこのことで、今まで知ることのなかった南極の“神秘のヴェール”が取り除かれてもいる。
南極西部「スウェイツ氷河」の研究を目的とした国際組織「Thwaites Glacier Offshore Research(THOR)」、その遠征隊が南極西岸を航行中、記録的な高温による氷河の融解で出現した島を発見したのである。
ご存じの通り、これまでの南極大陸は見渡す限りの氷河が広がるばかりで、その氷の下の地形がどうなっているのか、きわめて限定的にしか把握されていなかった。しかし今回、THORの遠征隊が、氷の融解によって露出したこれまで未知であった島を特定したのだ。
北欧の“豊穣と家族の女神”にちなんでシフ(Sif)と名付けられたこの島は、5万9000平方メートルと東京ドームよりもやや大きく、主に花崗岩で構成されている。
「この1つの島には多くの手がかりがあります」と氷河地質学者ローレン・シムキンズ氏は語る。以前は島を覆っていた氷河が解けるにつれて、大陸がどのように変化しているかを研究者がよりよく理解するのに役立つ発見となった。
遠征隊の一員であるジュリア・スミス・ウェルナー氏は今回の発見に興奮し、その模様を写真に収めていち早くツイッターに投稿している。
「船橋の上の仲間が今朝岩だらけの海岸線を見つけました。この島は私たちが知っている海図には存在しません! このシフ島は花崗岩でできており、一部はまだ氷で覆われ、アザラシたちが横たわっているのを最初の訪問者として確認できました」(ウェルナー氏)
南極大陸から貴重な発見がもたらされたわけだが、その根本理由を考えると、やはり複雑な心境にはなるのは否めない。
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