大阪・西成「覚醒剤デリバリー」の実態! 覚醒剤が24時間買える街がとげた変貌と現状!

 「覚醒剤が24時間買える街」として、一躍世間で有名になった大阪・西成区のあいりん地区

 覚醒剤を求めて関西はおろか、日本全国から遊びがてらにポン中が集まった。西成警察に捕まったある人物は以前、「地元の人間は捕まらん」と変な自慢をしていたのだが。

 今でも西成は、覚醒剤を買えるポン中にとってのパラダイスなのだろうか。実際に歩いて、覚醒剤の売人である「売り子」を探してみた。

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画像は「Getty Images」より引用


 JR新今宮駅前の“太子”の交差点。20年前以上、この場所に売人が立つと、覚醒剤が飛ぶように売れたという。この“太子”の交差点を中心にして、付近には売り子が競うように立ち、覚醒剤を求めるポン中に強気の商売をしていた。

 この地域から少し離れると0.3グラムで1万円の覚醒剤が、この場所では0.2グラムしか入っていなかったという。渡された0.3グラムの通称「パケ」と呼ばれる覚醒剤の小袋から売り子が勝手に中抜きして、新たなパケを作って、数パケ分を浮かせて小遣いにしていたのだ。1パケ売っても末端の売人の儲けは2千円ほど。だから売り子たちはこんなせこいシノギで小遣いを稼いでいた。

 橋下大阪市長の号令によって始まった「西成浄化作戦」によって、覚醒剤の一掃が強く叫ばれ、この地域の売り子たちはさらに奥に引っ込んだ。それまでポン中たちは、購入場所なら西成警察、電車で帰れば鉄道警察、自動車なら機動捜査隊や隣接する浪速警察署や阿倍野警察署に捕まっていたが、この作戦によってポン中があちこちで逮捕されることも減った。

 こうして一見の客はネットなどで購入するしかなくなったが、いざ街を歩いてみると、売り子らしき怪しげな人物が数人、まだ街角に立っていた。ただ、以前交差点を追われた売り子が立っていた「コインロッカー前」や「オーシャン前」や「線路脇」といったような目立つ場所ではない。この街を歩き慣れていなければ、彼らを見つけることは不可能であろう。

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