フィリピンで中国人による誘拐急増!? 日本でも同様の懸念…!

画像は「Getty Images」より引用


 フィリピン・マニラのローカル紙記者によると、「フィリピン国内で中国人の誘拐事件が増加し、警察が摘発を続けている」という。いまだ解決していない事件も多々あり、そこで中国本土から独自に被害者の捜索と犯人逮捕を試みる「誘拐犯ハンター」が続々上陸しているという話がある。

「フィリピン警察もかなり動いていますが、なにしろ事件数が多い。いま新型コロナウイルスの問題で日常生活にも制限ルールがあって、警察官はその違反者の取り締まりに動員されているから人手不足もあります。それで中国から誘拐事件を解決するプロを送り込みたいという話が増えています」(前出記者)

 ただ、いまフィリピンは海外からの外国人入国は長期ビザ取得者に限っており、新たに長期ビザの発給がされていないため、誘拐犯ハンターなる連中の入国もかなり困難。

「だから、これから渡航制限の状況が変わり次第、その動きが出てくると見ています」(前出記者)

 フィリピンでの中国人誘拐はパンデミックの渦中で急増している。その背景にはフィリピンが中国人犯罪組織のオンライン・カジノや振り込め詐欺の拠点となっていることが大きいという。

「そこで働くのが主に不法滞在の中国人で、彼らを誘拐して本国の中国人や企業に金を要求するパターンです。被害者自身も犯罪組織に関わっているため、誘拐されても仲間内でフィリピン警察に通報しにくいところが誘拐犯にとって好都合なんです。中には詐欺グループの幹部が誘拐され、犯罪組織が誘拐犯に身代金を払ったなんてケースもあるんです」(前出記者)

 6月以降、多くの中国人被害者がフィリピン警察によって救出されており、ときに銃撃戦にも発展しているが、あくまで解決されているのは一部の事件だけだという。同様の手口はパンデミック前からカンボジアでも多発していたが、ここ最近はやたらとフィリピン国内で増加。皮肉にもその手口は、中国本土の“プロの誘拐手口”だという。

「なにしろ中国は1日15件の誘拐事件が起きるといわれる誘拐大国。そこで中国当局はIT企業のファーウェイの全面協力でAI技術による対策強化を進めたところ、誘拐組織が海外拠点を作るようになっていったんですが、中国では行方不明者の探索とか解決ビジネスが盛んになっていて、元特殊部隊の軍人とかが誘拐犯ハンターになっているんです。富裕層向けのハイレベルなものになると犯人グループを暗殺してまで被害者を奪回する傭兵チームになっていたり、報酬次第で海外にも出向いて被害者を取り返しに行くんです」(前出記者)

 日本では保釈中にレバノンへの国外逃亡に成功した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーンを逃がしたのがプロ集団の仕業だったことが分かっているが、そうしたスキルを持つ連中が民間の誘拐事件解決に動いているというわけだ。新型コロナウイルス対策の渡航制限により、さすがのプロたちも海を渡れない状況にあるが、「解禁となったら、この状況では真っ先にフィリピンに乗り込む凄腕がたくさん出てくると思います」と記者。

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