飛行機からオシッコが落ちてきたらどうなる? 「直撃したら間違いなく死ぬ」恐怖の実例!

■“落とし物”をした旅客機を特定することは不可能

 どちらのケースでも損害はどこからも補償されず、当事者は自腹で数百ポンドの修繕費を払わざるを得なかった。

 イギリス民間航空局(CAA)は、これが時々発生する理由に関する情報を同局のウェブサイトで説明している。

「高高度の航空機で自然に形成された氷は、降下するときに暖かい空気に触れて剥がれ落ちることがあります。また、臭いがする可能性のある変色した氷が落下した報告を受けています。これは航空機の洗面所のホースソケットのシール不良からの漏れが原因である可能性があります」(CAAより)

 CAAはすべての航空機の洗面所の廃棄物は航空機内に貯えられ、着陸した後に回収されていることを約束している。決して“空中散布”は行われていないのだ。

 

 そして高高度を飛行する旅客機で“氷”が作られ、それが落下するケースが稀にあることを認めてはいるが、どの旅客機が落としたのかを特定することは不可能であることにも言及している。したがって、被害者には補償を求める先がないことになる。

 しかしながらイギリス国内でもしこのような氷塊の被害者になったり、目撃をした場合はCAAなどに報告することが求められている。空港の近くなどでは、その後の調査によっては補償が受けられるケースがあるかもしれないということだ。ロンドンのヒースロー空港はそうした空港の1つである。

 ともあれ、このような“凍ったオシッコ”が降ってくる事件はきわめて珍しいことであり、1年間に報告されるケースが25を超えることはめったにない。

 ご存知の通り、2020年3月から「羽田新ルート」の運用が開始され、東京都心上空を旅客機が飛行するようになっている。もちろん飛行中の“落とし物”については各航空会社は細心の注意をもって対策を講じているが、絶対ないとは言い切れない出来事であることも事実だ。どうあであれ、“凍ったオシッコ”の直撃で最期を迎える事態は勘弁願いたいものである。


参考:「Daily Star」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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