暴動後、トランプ大統領は「南の王」になる――。在米日本人が明かした現地の様子と「国家分断計画」

 そこで浮上するのが、かねて囁かれてきた米国の分断だ。米国ではトランプ支持者を中心に「Qアノン」の説が信じられており、トランプ氏はいまだに“救世主”扱い。白人至上主義者も同氏をバックアップしており、議事堂襲撃では「南部連合」の旗も掲げられた。南部連合とは奴隷制の拡大に反対だったリンカーン大統領の当選を受け、合衆国から脱退を表明した南部の州が1861年に結成した政府。計11州が参加し、独自の大統領や旗を決め、奴隷制を擁護する憲法を制定した。合衆国(北軍)と争った南北戦争で敗北し、65年に消滅した。

「このままトランプは負けを認めないだろう。そして“南の王”となる。支持者らもそれを望んでいる」(同)

 筆者は議事堂襲撃事件が起きた6日、米国にいる友人A氏に電話で様子を聞いた。テレビで流される衝撃的な光景にショックを受けているかと思いきや、返ってきた言葉は「こうなることは予想できていた」だった。A氏いわく「昨年の段階で1月6日に暴動が起きると伝えられていた。SNSでそうした話が流れていたし、私が属するコミュニティーでも言われていた。だから年末年始にスーパーマーケットで1ヵ月分の食料と生活必需品を買った」

 A氏よれば、暴動は序の口に過ぎず、ここから米国は大きく崩れ、2つの勢力に分かれるという。その1つがトランプ氏をキングとした南部連合とその支持勢力だ。

「黒人だけではなく、アジア人に対する差別もひどくなる。新型コロナが急拡大した時は街で罵られたり、肩を小突かれたりして、本当に怖かったが、今後はもっと悲惨ことになるかもしれない。夜間は絶対に出歩いてはダメだ」(A氏)

 一方で、本当に危険なのは民主党であるという意見も根強い。

「自分たちの意見以外絶対に認めず、逆らう者は「あほな陰謀論者」と断じて現実世界からもネットの世界からもはじき出す激しい言論統制の時代と人種を超えた“能力差別”の時代が来る。中共と同じ政治が始まり、人々は画一化される」

 “自由の国”アメリカが足元から崩れ始めている――。

TOCANA編集部

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