マヂカルラブリーは漫才じゃない? 元放送作家・浜口倫太郎×お笑い評論家ラリー遠田
マヂカルラブリーは漫才じゃない? 元放送作家・浜口倫太郎×お笑い評論家ラリー遠田が語る「勝つ漫才師」の特徴とは?
浜口:本当にそうなんですよ。中田ダイマル・ラケットさんのボクシング漫才とか知らないのかな、と思いますね。ボクシングの格好をして、2人で殴り合ってましたからね。
ラリー:もともとは何でもありだったものが、むしろ『M-1』ができたことによって様式化したというか、暗黙のルールができてきたみたいなところもあるのかなと。
浜口:競技化したことで、それ以外のものがなくなっていったということはあるかもしれないです。
ラリー:最近の芸人で言うと、コウテイも動きの笑いが多い芸人ですよね。『ワラグル』の中でもコウテイっぽい芸人が出てきますね。
浜口:コウテイもそうなんですけど、いい芸人はシルエットがいいんですよ。長身でスラッとした細長いやつと、横に大きいずんぐりむっくりのやつが並んでいる。小説の中で衣装のことも書きましたけど、やっぱり芸人って見た目がすごく大事なので、2人のシルエットがいい漫才師っていいなと思いますね。
ラリー:芸人の衣装とか髪型とか体形とかの見た目ってものすごく重要ですよね。
浜口:バイク川崎バイクの単独ライブで、自分がどうやって今の「BKB」になっていったのか、っていうのをやっていたんですよ。それを見ていると、衣装がちょっとずつ変わっていくんですよね。だんだん完成形に近づいていく感じがめっちゃ面白くて。
ラリー:ZAZYさんも、そうやってちょっとずつ変わっていって今の「ZAZY」になったらしいですね。ZAZYっていう芸名が最初にあって、ZAZYっぽさって何だろうっていうことで、試行錯誤してあそこにたどり着いたんです。
たぶん、ゲームのアバターみたいに、初期状態からいろんなパーツをはめていって、あの状態になったときに「これだ!」みたいになるんでしょうね。これも結局、本人のニン(個性、人間性)と見た目がピタッと合ったときに一番気持ちいいんでしょうね。
浜口:特にピン芸人って、1人でやるからそこがすごく重要なんですよね。僕も昔、お笑いのイベントの審査とかやってましたけど、まず衣装は見てましたね。そこから考えられているかどうかっていうのが大事だから。
ラリー:ただ、衣装の良し悪しってある程度はかけたお金に比例するじゃないですか。だから、まだ稼げていない芸人がいい衣装を着るのって難しいかもしれないんですけど、そこを何とかがんばって、芸のために高いスーツを買えるかどうか、っていうのがあるんですよね。
浜口:「衣装に金かけろ」っていうのは昔から言われてますけど、やっぱり間違ってないというか、昔から伝わってることには重みがあるんだなと思いますね。
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浜口倫太郎(はまぐち・りんたろう)
1979年奈良県生まれ。漫才作家、放送作家を経て、2010年『アゲイン』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し小説家デビュー。著書に『シンマイ! 』『廃校先生』『22年目の告白―私が殺人犯ですー』『AI崩壊』『お父さんはユーチューバー』など多数。
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2024.10.02 20:00心霊マヂカルラブリーは漫才じゃない? 元放送作家・浜口倫太郎×お笑い評論家ラリー遠田が語る「勝つ漫才師」の特徴とは?のページです。お笑い、ワラグル、浜口倫太郎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで