【8月6日】米国大使館が「原爆誕生に関わった中国系アメリカ人女性」を英雄に選出!! “投下理由”も変化… 日本人が知るべき実態!

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イメージ画像:「Getty Images」

■“中国化したアメリカ”と日本はどう付き合うべきか?

 簡単に言えば人種・性別・文化・容姿などで政治的に差別することは許されないというのがポリコレで、2000年前後から欧米で拡がってきた。1996年からスチュワーデスがキャビンアテンダントに、2002年に看護婦が看護師に変わったのはポリコレの流れに日本が従ったためだ。

 では、原爆投下にポリコレを絡めるとどうなるか。(白人国家だからドイツには原爆を使わず、日本は黄色人種だから投下した、という話は昔から囁かれていたが、その真偽はともかく)原爆投下は人種差別(的な出来事)となる。だが、それだとアメリカとしては原爆投下を正当化できなくなってしまうため、これを回避するために出てきたのが「日本が中国や東南アジアで大虐殺を行ってきた」という話だ。ポリコレの問題を、より犯罪性の高いホロコーストで打ち消そうというわけだ。

 だが、その裏付けに使われているのが、中国が主張する南京虐殺であり、アメリカでベストセラーとなった『ザ・レイプ・オブ・南京』だ。同書はノンフィクションだが、天皇から捕虜の殺害命令が出される、東京裁判で20万人とされた死者数を中国共産党の主張する30万人に変えた、日本軍の写真として中国軍の写真が使われている……など数々の事実とは異なる記述を指摘されている。

■全てが中国の思う壺!?

 いずれにしても現在、このようなポリコレ重視の潮流と経済発展を背景に、これまで黙っていた旧植民地がかつての宗主国に歴史問題で論争を挑んでいる。たとえばインドは「カースト制を打破し、インドの近代化を進めた」というイギリスの主張に対して、「消滅しつつあったカースト制を統治に利用することで、民族を分断させた」と主張し、真っ向から対立している。

 日本の保守派は南京虐殺を否定してきたが、多くは親米保守であるため、原爆の戦争犯罪をアメリカに突きつけることはしてこなかった。ところがここにきて、ポリコレの流れでアメリカが南京虐殺を肯定し、それを原爆投下の正当な理由とし始めたのだ。呉健雄の写真は、ポリコレ重視の潮流と中国の戦略に乗ったアメリカの現在を端的に表していると言えそうだ。「中国化したアメリカ」とどう付き合っていくのか。ポリコレの正義の下で、あらゆる物事が書き換えられる――そんな時代に私たちは生きているのかもしれない。
 

参考:「HistoryExtra」、「U.S. History」、「The Washington Post」、ほか

文=久野友萬

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