水害の度に「不可解な死」を遂げた人々の共通点とは!? 寒村の“残酷すぎる習わし”の闇を取材!=東北

【日本奇習紀行シリーズ 東北地方】

水害の度に「不可解な死」を遂げた人々の共通点とは!? 寒村の残酷すぎる習わしの闇を取材!=東北の画像1
「ゲッティ」から引用

 毎年梅雨が明けけて本格的な夏が訪れると、全国各地で実に痛ましい水難事故が相次ぎ、そのたびに多くの犠牲者が出ることとなるが、かつてそうした犠牲者たちのなかには、なんとも“不可思議な形”で死を迎えたケースも、少なからず存在していたようだ。

 

「さすがに最近じゃそういう話も聞かないけど、たしかに昔は多かったね」

 

 かつて東北地方のとある地域で頻発していたという、“なんとも不可思議な水難事故”について重い口を開いたのは、現在も当地で静かに余生を送る篠原芳雄さん(仮名・82)。なんでも篠原さんの話によると、その昔、当地では水害に見舞われるたひに、“あらぬ死”を遂げる人々が少なからず存在していたのだという。

 

「浮気をした女だの、博打や酒に溺れた男だの、そういうたちの悪い連中はね、どういうわけか、決まって大水が出た日に死ぬの。嵐や大雨がやんで、水が引く頃になると、川下にある橋のあたりに引っかかってるね」

 

水害の度に「不可解な死」を遂げた人々の共通点とは!? 寒村の残酷すぎる習わしの闇を取材!=東北の画像2
「ゲッティ」から引用

 本来であれば、誰一人として出歩くことがないような荒天時に、なぜか決まって家から離れた場所で溺死している姿を発見されていたという、そうした“厄介者”たち。彼らの大半は、水害そのものが原因となって命を落としたようには見えない“不審死”であったが、当地の人々はすべて「水害の犠牲者」として扱い、供養することが暗黙のルールとなっていたのだという。

「まぁ、俺の知る限り、(溺死した人々は)みんな、穀潰しだし、家族ですら“死んだほうがいい”って思うような連中だったからね。きっと罰が当たったんだろうね。なにせ、水には神様がいるっていうだろ。きっとそういう神様がね、罰を与えたんだろうな」

 傍目に見れば、水害のどさくさに乗じて、村人たちが彼ら“厄介者たち”を“始末した”ようにしか思えないが、無論、今となっては真相はすべて藪の中。やはり寒村のような小さなコミュニティにおいては、外部の者には決して知り得ない暗部が隠されているのかもしれない。

文=戸叶和男

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