なぜアフガンばかりが戦火に見舞われる?軍産複合体の思惑…どこも書かない真実をジェームズ斉藤が解説!

──つくづく巧妙ですね。

ジェームズ はい。戦争はいまや軍産複合体のビジネスであり、戦争当時国は大国の政治家たちのオモチャです。そして、さきほど入ってきた情報ですが、アフガニスタンの反タリバン勢力である北部同盟の元指導者マスードの息子が反タリバン戦線を宣言し、山にこもって、ゲリラ戦を始めました。武器の消費は永遠に続くのです。

──また、内戦が始まるんですね。

ジェームズ そうなります。おそらく、米国やロシアもそれぞれ陰で支援します。タリバン政権が崩壊しない程度に。反タリバン戦線があることで、タリバンも正当性を保てますから、やはりすべて出来レースです。

──当分、アフガンには平和は訪れないんですね。

ジェームズ 以前よりはマシという状況にしかなりえないでしょう。ここでひとつ読者の皆さんに考えてほしいのはなぜアフガンばかりがこれほど戦火に見舞われるのか?ということです。これはアフガンの地が麻薬やゴールドも含め豊富な資源があるだけでなく、地政学的に重要な地点だからです。ユーラシア大陸の統一を目指した大英帝国とロシア帝国がアフガンを巡って争ったのは、この地がユーラシア大陸のほぼ真ん中に位置する大陸の要だからです。

 一方、米国が望んでいるのはユーラシア大陸の統一ではなく、分断です。ですから、米国はこの地を獲得したいわけではなく、常に戦争状態になっていればいいのです。

──ユーラシア大陸の分断? それがなぜ米国にとって必要なんですか?

ジェームズ 米国は太平洋と大西洋に面した国だからです。ユーラシア大陸が統一されると太平洋と大西洋の両側から攻められてしまうので、それを警戒しています。ちょっと大げさじゃないかと考える人もいるかもしれません。そんなことがあるわけないだろうと思う人もいるでしょうが、アメリカは1776年の独立戦争で大西洋を渡ってきたイギリスに攻められていますし、1812年の米英戦争では大英帝国が大西洋を介して本土まで侵攻されています。太平洋側は1941年の真珠湾攻撃で大日本帝国によって侵攻されています。大英帝国や大日本帝国のような国のサイズが大きなものでなくても、海軍力があれば侵攻できたのです。米国はこういう教訓を忘れません。

 しかも、冷戦時にはソ連がユーラシア大陸の統一にほぼ成功しかけていました。中国や中東の大部分を共産化させて、その上で海軍力を増強しようとしていたのです。この時が米国史上で最も危険な時でした。

 そういう中で、ソ連・アフガン戦争に米国が介入したのは当然でした。密かにムジャヒディーンを支援したのはアフガンにユーラシア大陸分断の芽を作るためでした。これがアメリカの大戦略と言われるものです。CIAのサイクロン作戦(アフガニスタン紛争中の1979年から1989年にかけてムジャヒディーンに武器や資金の提供を行ったアメリカ合衆国中央情報局の計画に対するコードネーム)の黒幕は、ジミー・カーター政権で国家安全保障担当補佐官を勤めたズビグネフ・ブレジンスキーでした。ブレジンスキーはポーランド系ユダヤ貴族出身で、グローバリストとしては最恐クラスの人物です。彼は大戦略家としても超優秀でソ連アフガン戦争中に自らパキスタンに乗り込み、「神(アッラー)はあなたたちを裏切らない、米国は最大限の支援をする」と言ってムジャヒディーンを鼓舞しているぐらいです。以前、本人に会ったことがありますが、知性と教養を兼ね備えており、あのムジャヒディーンが鼓舞される理由もわかります。

──ブレジンスキーは日本のことを「ひよわな花」とか「アメリカの保護国」とか言った人ですよね。

ジェームズ 日本の政治家や官僚、マスコミを見たらそう言うでしょう。彼は70年代に来日していますが、いまは当時よりもひどいありさまになっています。

──そうですね。ともかく、ユーラシア大陸の真ん中であるアフガンが揉めていれば、ユーラシア大陸は統一できず、アメリカの防衛にとっても有利なんですね。

ジェームズ ですから、アフガンという土地は昔から大国に狙われ続けたのです。紛争が絶えないということはそれだけ重要な地点ということでもあります。
 実は、これは日本も同じです。米国にとってはロシアの南下を抑え、中国の太平洋進出を抑える楯となっているのが日本という島国なのです。世界地図をもう一度よく見てください。地政学的にどれほど重要なのかが一目でわかります。このことは、前述のブレジンスキーの本にも書かれています。ただし、ブレジンスキーは地球を「地政戦略チェスのボード」と言っているように、日本など米国にとってただの駒だとしか思っていません。将棋とは違いチェスでは負けると駒を「ポイ捨て」しますが、先日のアフガン崩壊はまさにプレーヤーの米国がタリバンにカブール包囲という「チェックメイト」をされたので、米国傀儡アフガン政府という「キング」をポイ捨てしました。

 日本人はここを本当に理解しないといけません。米国にとって日本はたしかに重要ですが、米国は日本を決して大事にはしないということです。自分の国は自分で守ることを考えなければ、本当に第2のアフガンになる可能性はあるのです。

文=ジェームズ斉藤

ジェームズ斉藤(@JamesSaito33)
某シークレットセミナー教官。某国諜報機関関係者で、一切の情報が国家機密扱い。国際ニュース裏情報の専門家。ツイッターはこちら

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