【未解決事件】閲覧注意の凄惨事件『長岡京ワラビ採り殺人』犯人は2人? メモに残された2つの疑問

2,鉛筆が遺留品にない

 それともう1つ気になる点がある。それは、Aさんがこのメモを書いた際に使用したと思しき鉛筆が、遺留品の中には含まれていないことだ。当時の報道によると、現場周辺には鉛筆が見当たらず、現場検証をする過程で、なぜか鉛筆の芯の先だけが発見されたのだという。だとすれば、多くの人々は、鉛筆は犯人が持ち去ったのではないかと考えるところであろうし、実際、山の中に落ちていたような鉛筆を見つけ、持ち去る第三者や野生動物の類がそういるとは思えない。しかし仮に犯人が持ち去ったのだとしたら、「なぜ持ち去ったのか?」という部分が見えてこないのだ。というのも、犯人がAさんの所持品だとわかった上で、あえて鉛筆を持ち去るということは、通常であれば、証拠隠滅などの目的があったと見るべきだろう。しかし仮にそうだとするならば、鉛筆だけを持ち去り、Aさんが書いたと思しきメモを持ち去らないのはあまりに不自然と言わざるをえない。なぜなら、「メモ」に気づいたからこそ、犯人は鉛筆を「証拠になる」と考えるからだ。つまり、鉛筆だけを犯人が持ち去ったということは、そもそもポケットのメモには価値を見出さなかったということ、即ち、単に「犯行の記念品」として見ていた可能性を示唆しているのではないだろうか。

 こうした点を鑑みた上で、改めて事件全体を俯瞰してみると、筆者は、性的な暴行を加えた人物と、その後に彼女たちを惨殺した人物が、それぞれ「別の人物」である可能性も感じてしまうのである。というのも、近隣では入山した女性に声をかけてくる不審な男に関する証言が寄せられており、また、同一犯であるかは不明だが、レイプ事件が発生していたという話もある。もしかすると、そうした事案を引き起こすような、性的な欲求を満たすことだけを目的とした犯人・Hが、まずこの界隈で暗躍しており、それと“狩場”を同じくする快楽殺人犯のようなタイプの別の犯人・Iも、潜んでいたのではないか。

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画像は「Getty Images」より

 だとすれば、たとえば、犠牲となった被害者たちは、まず最初に性犯罪者・Hに遭遇。声を掛けられた際に怪しいと感じ、足早に歩きながらメモを書いて、助けを求められそうな人が現れることを祈っていた。しかしそれもかなわず、結局、彼女たちはHに追いまわされた末にレイプされてしまう。その後、犯行の途中でHの隙を突いて逃走した彼女たちは、別の人物に遭遇する。「これで助かる!」そう思ったのも束の間、彼女たちが助けを求めたその人物こそ、猟奇殺人犯のIだったのだ。2人は助かるどころか、Iによって激しい暴行を受けた上で惨殺され、Iが犯行の記念として鉛筆を持ち帰った……そうした話も、あながち「ない」とも言い難いだろう。

 無論、これらは筆者の憶測でしかなく、少々、想像が飛躍し過ぎている感は否めないが、少なくともこの事件を巡っては、世人はもとより、当時の捜査関係者たちでさえも、見落としている部分がまだまだ多いことは事実ではないだろうか。時効を迎えて既に久しい事件ではあるものの、いつの日か事件の全貌が明かされ、被害者の墓前で報告できることを願うばかりだ。

文=野島居慎太郎

日本の凶悪事件に詳しいライター

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