10月8日(金) “不幸中毒”の男がスクリーンで大暴走!! トカナ配給映画『PITY ある不幸な男』公開記念、監督インタビュー到着!
【トカナ最新配給映画! 今週末公開!】
血も涙も枯れ果てた、そして――。
悲しみに囚われた愚かな男がたどり着く、世にも愚かな不条理劇。
『PITY ある不幸な男』
(配給:TOCANA)
2021年10月8日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷
池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ他 全国ロードショー!
公式サイト:pity.jp
アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『ロブスター』脚本家、
エフティミス・フィリップが贈る最悪のサイコスリラー。
この秋、他人の親切心に漬け込み、悲劇のヒロインを演じ続ける歪んだ男が劇場を襲う!
『籠の中の乙女』、『ロブスター』、『聖なる鹿殺し』など胸糞&不条理映画の鬼才、ヨルゴス・ランティモス監督作の脚本を多く手掛ける、エフティミス・フィリップによる最悪のサイコスリラー『PITY ある不幸な男』がTOCANA配給で全国ロードショー決定!
全国公開が間近となる中、監督インタビューが到着!
日本全国のギリシャ映画&サイコスリラーファンの期待が高まる中、公開に先駆けて監督インタビューが到着! ギリシャ映画界の新鋭バビス・マクリディス監督が日本の観客に向けて『PITY ある不幸な男』の着想から演出まで語り尽くす!
(※ 本インタビュー記事は劇場販売パンフレットからの一部抜粋となります)
――前回の作品『L』もそうでしたが、エフティミス・フィリップと共同で脚本を執筆していますね。彼は“ギリシャの奇妙な波”の旗手、ヨルゴス・ランティモス監督との仕事で知られています。あなたもその流れに属しているのでしょうか?
バビス・マクリディス監督(以下、バビス) レッテルを貼るのはあまり好きじゃない。今のギリシャ映画は、もっと豊かだよ。社会派ドラマ、家族映画、コメディなどいろいろある。1つの流れには収まらないんだ。僕の初監督作品の脚本をエフティミスと書き上げて1年かそこらで、僕らはもう新しい作品の話を始めていた。そして結局、『PITY ある不幸な男』に行き着いた。哀れみや同情は、一番面白いテーマだと思ったからね。関連する本も読んだよ。例えば、シュテファン・ツヴァイクの『心の焦躁』(みすず書房, 1974)とか。素晴らしい本だったけど、僕らが思い描いていたものとはかけ離れていた。
――そういう人(=同情に依存する人)に、実際に会ったことはありますか?
バビス あるよ。この作品は、前の作品よりもずっとリアルだと思ってる。同情されたいという欲求が、ごく幼いうちから肥大していく人たちもいる。例えば、あなたが3歳だとして、猫が死んだらどうなるだろう?おそらく周りは突然、同情し始めるだろう。つまり子供からしてみると、みんなが急に優しくなって、お菓子やプレゼントをくれるようになるわけだ。依存してしまうよね。やがて同情に慣れ、それなしでは生きられないようになる。そして嘘をつくようになるんだ。
――音楽も理解の助けになりました。音楽を作品に欠かせない要素にしたいと、最初から考えていたのですか?
バビス これはオペラを思わせる作品だと僕は言ってきた。観客を引き込むのは、音楽なんだ。作品の最初のパートで流れているのは、ベートーベンの「交響曲第9番」。画面の男は悲しげだけど、音楽は喜びに溢れている。次のパートでは主人公の妻が退院し、もう幸せを感じるしかないような状況だけど、流れる曲はモーツアルトの「レクイエム」。つまり世界一悲しい音楽だ。この矛盾が実際に起きていることを伝えて、彼の感情を物語っている。
監督インタビュー全文は『PITY ある不幸な男』公開劇場にて販売されるパンフレットに掲載!
日本のファンに向けた熱いメッセージを見逃すな!
*****
精神科医が”不幸中毒”の病、ミュンヒハウゼン症候群を指摘!
“病気の捏造は病気である。ほら吹き男爵として伝えられる男の名にちなんでミュンヒハウゼン症候群と呼ばれている。医者は患者がわざと病気を捏造しているなんて考えないから、すぐに騙される。でも検査をしたりよく観察したりするうちにどうもこれはおかしいと気づくのだが、その気配を察するとミュンヒハウゼン症候群の人はその病院から消える。そしてどこか別の土地の病院にかかり、同じことをするのだ。なにが嬉しくてそんなことをするのか。いまだにわかっていない。なにしろばれそうになると消えるから調べようがないのだ。本作で、彼が体験しているのは破滅か至福か。もはや彼自身にもわからなくなっているのかもしれない”
(劇場用パンフレットより抜粋)
精神科医・林公一氏(ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」運営)
各界著名人より推薦コメント到着!
妻が意識不明となる悲劇に見舞われた男。彼は周囲からの同情を浴びるうち、やがてそれに快感を見出してしまう。だがある日突然、男は誰からも心配されなくなってしまう。愛する妻の回復によって……。確かに他人に気に掛けられると嬉しい。しかし、自らそれを求めてしまった瞬間、その人は恐るべき怪物と化してしまうんですね。他人の同情なしでは生きられなくなった男の行く末が、滑稽かつ徹底的に恐ろしく描かれる。なんて悪意に満ちた物語を思いつくんだろうか。観れば心がざわつくこと請け合いの作品だ。
―人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
とても過激な問題作だが、人間の心理学的側面を見事に射抜いていると言わざるを得ない。
究極的に人間は、得たものではなく、喪失したものの中でしか安住することは出来ないのだから。
―名越康文(精神科医)
同情されて生きることは、もしかしたら「生きやすい」のかもしれない。
私の身の回りにも、生きやすさや心地よさが誰かの同情の上に成り立っている人間が一定数いるように思える。
私はそういった生き方を悪いことだとは思わないが、ダサいことだとは心底思う。
まさに「気をしっかり持って」と感じる。
しかし、同情を抱かせることは人の善意や好意を動かすことに長けているので、
この映画の主人公のような、あきらかに人生でこれといった注目を浴びてこなかった人、
要するに”陰キャ”には手放せない快感なのだろう。
人から同情を集めることは、注目を集めることになるから。
そして、それは自分を物語の主人公になった気にさせてくれるから。
―妹尾ユウカ(コラムニスト)
嫌なことがあったら言いたい。言って、大変だったね、と返してほしい。だって大変なのだから。誰もが持つ普遍的なエゴを滑稽に、時としてシリアスに描いたヒューマン・ドラマ。ランティモスの3作と比べて本作は比較的わかりやすく、伏線やメタファーを織り交ぜながらコンパクトにまとめあげた秀作であることは間違いない。
―城戸(ライター)
サイコスリラーに“ふさわしい”、ショッキングな描写もあるが、何よりも描きたかったのは、人の心の脆弱さだと強く感じた。
―出口保行(犯罪心理学者)
愛する妻が目を覚ました。その瞬間、男の狂気が覚醒する。
不幸なときだけ幸せを感じる男の物語。ティーンエイジャーの一人息子と、小綺麗な家に住み、健康で、礼儀正しく、概ね身だしなみは良い、一見何不自由ない弁護士の男性。しかし彼の妻は不慮の事故により昏睡状態に陥っている。彼の日々は妻を想ってベッドの隅で咽び泣き、取り乱すことから始まる。境遇を知り、毎朝ケーキを差し入れる隣人、割引をするクリーニング屋、気持ちに寄り添う秘書など同情心から親切になる周囲の人々。この出来事がもたらした悲しみはいつしか心の支えとなり、次第に依存してゆく。そんなある日、奇跡的に妻が目を覚まし、悲しみに暮れる日々に変化が訪れ…。楽園を失った男はやがて自分自身を見失い、暴走する。
世界が震撼した、ラスト30分の衝撃――。
2018年サンダンス国際映画祭ワールドシネマドラマティックコンペティション部門でプレミア上映後、数々の映画祭に出品され話題を呼んだ本作。『籠の中の乙女』『ロブスター』など、ヨルゴス・ランティモス作品を多く手掛け、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた脚本家、エフティミス・フィリップとギリシャの新鋭監督、バビス・マクリディスがタッグを組み、人間の本質を暴く不穏なサイコスリラーが誕生。歪んだ男のエゴイズムを美しく、淡々と描く怪作がついに日本公開!!
『PITY ある不幸な男』
監督:バビス・マクリディス/脚本:バビス・マクリディス/エフティミス・フィリップ/出演:ヤニス・ドラコプロス/エヴィ・サウリドウ/マキス・パパディミトリウ
©2018 Neda Film, Madants, Faliro House
2018年/ギリシャ、ポーランド/ギリシャ語/99分/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP
後援:駐日ギリシャ大使館/提供:シノニム/配給:TOCANA( https://tocana.jp/ )
2021年10月8日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷
池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ他 全国ロードショー!
公式サイト:pity.jp
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