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【衆院選2021】カルト集団と付き合う候補者たちーー“新興宗教”絡みの候補者が激突する「神選挙区」はここだ！

2021.10.30 20:15 文＝藤倉善郎

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■ワールドメイトが怒涛の献金　1億越え

　カルトとの関わりはイベント等への協力だけではない。カルト側からの政治献金という、政治家側に旨味がある関わりもある。そこでカルトに加担したPとは別に、献金等を受けた回数や金額も集計した。

　政治資金収支報告書からわかる範囲では、2010年以降にカネを受け取った候補者は、先ほどとは逆に野党・立憲民主党の候補者が目立つ。

　1位の小沢一郎氏（岩手3区、立憲、前）は5,900万円、2位の松木謙公氏（北海道2区、立憲、前）は1,560万円、3位の樋高剛氏（千葉12区、立憲、元）は700万円。600万円の佐藤公治氏（広島6区、立憲、前）、560万円の海江田万里（東京1区、立憲、前）と5位までを立憲勢が独占。500万円の6位で、末松義規氏（東京19区、立憲、前）と同着の平沢勝栄氏（東京17区、自民、前）がようやくランクインしてくる。しかし、これ以降も立憲が多く、総人数と総額は自民が7人1,490万円、立憲が13人1億960万円。

　そして、このカルトマネーは全てがワールドメイトや関連会社からのものだ。国民・維新・無所属を含めた計24人に対して1億2,760万円の大盤振る舞い。これに対して統一教会は、たったの5人に47万円。幸福実現党（幸福の科学）は義家弘介（神奈川16区、自民、前）に5回計10万円を支払っているが、これは寄付等ではなく「研修費」。

　カネを支援してもらうだけなら、カルトに協力するのではないのだから問題ないのでは？と考える人もいるかもしれない。しかしカネを受け取っている候補者はほぼ例外なく、カルトのイベントに協力もしている。それにカルトからの政治献金は、信者から吸い上げた高額なお布施等が原資だ。社会的に問題がある団体から政治家がカネを受け取るのだから、それはそれで問題がある。

■カルト候補者同士が激突する神選挙区はここだ！

　これだけカルト候補がひしめいていると、選挙区によってはカルト候補同士の対決という神々の戦いも展開される。そんな神選挙区が、全国に23もある。そのうち特にアツい選挙区を紹介しよう。

　まずは神奈川4区。5人の候補者のうち、統一教会への加担でP24を稼ぐ山本朋広氏（自民、前）とワールドメイトで16Pの浅尾慶一郎氏（無所属、元）の2人がカルト候補だ。2人ともこの選挙区で過去に落選している（山本氏は比例復活）。2つの有名カルトが激突する上に、双方落選という2重の意味で胸が熱いくなる展開も期待できるかも？

　ワールドメイトとの関わりが深い小沢氏がいる岩手3区も、同じ2教団の対決。与野党一騎打ちの相手である藤原氏（自民、前）は、統一教会イベントに出席したことがある候補者だ。しかしたった1度だけなので4Pしか持っていない。対する小沢氏はワールドメイトから5,900万円ももらっている上に、イベント等にも協力し加担Pは27もある。さすがに力の差が大きすぎるか。

　統一教会に関わる政治家があまりに多いせいで、統一教会がらみの候補者同士の潰し合いも起こる。

　神奈川16区は、義家弘介氏（26P、自民、前）と後藤祐一氏（4P、立憲、前）の与野党一騎打ちが統一教会がらみ同士の対決。義家氏がPで優勢だが、その大半は幸福の科学の機関誌への登場によるもの。統一教会関連イベントへの協力回数は義家・後藤両氏ともに1回（4P）で、いい勝負。カルトの神様はどちらに微笑むのだろうか。

　長野2区では、3候補のうち下条みつ氏（4P、立憲、前）と務台俊介氏（25P、自民、前）がともに統一教会に協力しているカルト候補。こちらもPは離れているが、務台氏は霊友会や統合医療への加担でPを稼いでおり、統一教会分だけなら4P同士で互角だ。

　京都2区は、4候補のうち繁本護氏（8P、自民、前）と前原誠司氏（34P、国民、前）が、統一教会に加担する者同士。前原氏はワールドメイトにも加担し、前出の通りカネも受け取っているため、統一教会vsワールドメイトの戦いも兼ねている。ややこしい選挙区だ。

　ワールドメイトがらみの候補者同士の潰し合いもある。静岡7区の日吉雄太氏（8P、立憲、前）と城内実氏（46P、自民、前）だ。与野党一騎打ちがカルト候補の一騎打ち。日吉氏は300万円、城内氏は470万円、ワールドメイトから献金を受けている。加担Pでは差があるものの、金額ではいい勝負かもしれない。そして城内氏は統一教会の関連イベントに祝電を打ったこともあるため、統一教会Pも持っている。これまた、統一教会vsワールドメイトの対決も兼ねた選挙区だ。

　カルトも政治家も、節操なく付き合う相手を広げるから、いざというときにこういうややこしいことになる。

　ここで紹介した候補者も含め、やや日刊カルト新聞の「【衆院選2021】総力特集！カルト候補ぜんぶ載せ！」では、カルト情報がある候補者を全て掲載している。自分の選挙区の候補者をチェックしてみよう。

（取材協力：鈴木エイト、若田部修）