【未解決】『名古屋市西区主婦殺害事件』と『世田谷一家殺害事件』『妊婦切り裂き殺人事件』に奇妙な類似点! 犯人は…

 無論、『世田谷一家殺害事件』の犯人とされている人物像は、諸説あるものの、目撃情報や血痕などから、身長約175cmのA型男性であるとされるため、一見、両事件は全く関係ないように見える。しかし、もし仮に、両事件ないし、いずれかの事件において、性別判定の材料となった血液型が犯人のものでなかったり、複数犯のうちの1人のものであったとするならば、『ルビンの壺』の絵のように、まったく異なる見え方をしてくるのではないか。

画像は「Getty Images」より


 たとえば、今回の『名古屋市西区主婦殺害事件』はもとより、『世田谷一家殺害事件』についても、犯人が「単独犯」ではなく、「犯行グループ」で、その中に、万が一にも共犯女性などがいたとするならば、止血の際にタオルだけでなく、咄嗟に生理用ナプキンを用いることを思いつくのも理解できるし、殺人馴れしているはずの主犯の男が、見張り役などを担う共犯の女を庇う形で、被害者と揉みあいになって負傷したという可能性も考えられるだろう。そもそも、その犯行の大胆さから垣間見られる自信と高いスキルから推測するに、善良な一般人である被害者といくら揉みあいになったところで、犯人自身が、その場での止血を必要とするような深手を負うとは考えにくいからだ。だが、仮に「犯行に不慣れな女」ないし、「不向きな女」を連れての犯行だとすれば、途端に状況は異なってくるのではないかと筆者は感じてしまうのである。

 少しばかり発想が飛躍してしまう形となってしまったが、いずれにしかり、これらの事件はもちろんのこと、多くの未解決事件においては、今回のケースでいうところの、「犯行現場に残された血痕」のように、一見、犯人を捕まえる上での確かな証拠に見えるものが、その実、はからずも捜査をミスリードする要素として機能している危険性についても、考慮すべきではないかと筆者は常々感じている。やはりどのような事件においても、それが未解決である段階においては、「これこそが確かな証拠である」というある種の思い込みは、解決への道程を妨げてしまうものなのかもしれない。

文=野島居慎太郎

日本の凶悪事件に詳しいライター

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