なぜ「ジョンベネ殺害事件」は25年も未解決なのか? 家族が遺体写真まで公開するも犯人は逮捕されず
米コロラド州ボルダーで25年前、当時6歳の少女、ジョンベネ・ラムジーちゃんがクリスマスの夜に自宅で遺体となって発見された。全米有数のセレブ一家のもとで育てられたジョンベネちゃんは、いくつもの美少女コンテストで賞を獲得するほどの美少女だった。そのため、「ジョンベネ殺害事件」は三面記事として世間を賑わせたが、事件を解決する決定的な証拠は見つからなかった。
未解決であるジョンベネ殺害事件に関しては、現在でもさまざまな憶測が飛び交っている。事件の犯人について諸説あり、中にはジョンベネちゃんが生きているという都市伝説まで語られている。ここで改めて事件を振り返ってみたい。
1996年12月25日、ラムジー家は近所の友人宅で行われたクリスマスパーティーに参加した。車で帰宅後、すでに眠っていたジョンベネちゃんは、父親のジョン・ラムジーさんに抱きかかえられて部屋へ運ばれ、ベッドに寝かしつけられたという。しかし翌朝、ジョンベネちゃんが忽然と姿を消したのだった。
その後、母親のパッツィー・ラムジーさんが、金銭を要求する脅迫状を発見し、娘が誘拐されたと考えて警察に通報した。7分後の午前5時52分に家に到着した警察が現場を調べたが、雪の中に足跡は見られず、侵入者の痕跡もなかった。ジョンさんは冷静さを保ち、警察に協力的だったが、悲しみをこらえ切れずにすすり泣いていたという。午前8時10分、リンダ・アーント刑事が現場に到着し、家の「上から下まで」捜索を命じたが、地下室を見落としていた。
やがてジョンさんが地下室へ向かったことがきっかけで、ジョンベネちゃんの遺体が発見された。通報から7時間後のことだった。ジョンベネちゃんは地下室の床に横たわっていた。首を絞められた痕、頭蓋骨の骨折、血の付着した下着が見られた。コードが手首の周りにあり、ダクトテープで口がふさがれた状態だった。遺体は口からテープを剥がされ、2階の居間に運ばれた。このとき、遺体に残っていた重要な証拠が失われた。しかも、家族の友人らが事件現場を出入りしていた。こうした不手際のせいで、後に捜査が難航することとなった。
48時間後、警察はラムジー家の弁護士から、これ以上何も言うことはなく、質問にも答えるつもりはないと伝えられた。家族は元日にCNNとの45分間のインタビューに応じたものの、感情的な苦痛を理由に4カ月後まで警察による聴取を拒否した。この時点で、脅迫状を書いたのはパッツィーさんで、家族の中に犯人がいると囁かれていた。
特にアーント刑事はラムジー家を疑い続けた。1999年、彼女はABCニュースのインタビューで、事件当日、殺人犯が家にいると確信していたので、ジョンベネちゃんの死体の隣にかがんだとき、ホルスターの弾丸を静かに数えたと語ったほどである。
2016年には、CBSのドキュメンタリー番組『The Case Of: JonBenet Ramsey』で、元FBI捜査官や犯罪科学の専門家が事件を再検証し、ジョンベネちゃんの兄であるバーク・ラムジーさんが真犯人である可能性が高いと結論付けた。
一方、ラムジー家は自分たちに向けられた疑いを徹底的に否定した。ジョンさんは声明の中で、「ある人が普通の人間として日常生活を送れなくなり、ある夜怪物になって娘を虐殺し、一晩寝て起きたらまた普通に行動する。そんなことは起こり得ない」と述べた。
大陪審の調査は1998年9月に始まった。パッツィーさんが卵巣癌で亡くなってから2年後の2008年、ジョンさん、パッツィーさん、バークさんそれぞれのDNAが、ジョンベネちゃんの衣類などから採取されたDNAと一致しなかったため、家族の潔白が証明された。しかし、ある情報筋がメディアに語ったように、微量のDNAは、(衣類の製造国である)中国で梱包に携わった人を含むあらゆるところから付着する可能性があるという。そのため、現在でもジョンベネちゃんが家族によって殺害されたと信じる者も少なくない。
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