“黒い油まみれの男”が女性の寝室で… アジア最先端の極上恐怖「シンガポール怪談」

 国際金融都市シンガポール――アジア最高峰の先進都市で働く人物・P氏に宗教・オカルトの専門家・神ノ國ヲが聞いた!

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イメージ画像:「Getty Images」

――シンガポールに住まわれて何年になりますか。

P氏  もう十数年になりますね。この十数年でシンガポールも随分変わりました。とくに経済的な発展は目覚ましいですが、あくまで表面的な変化だと思います。華人、マレー系、インド系、ユーラシアン(欧米人)が入り混じる多民族・複合国家ですから、欧米的な価値観が入ってきても元々ある言語・文化・宗教を上書きすることはできません。

――宗教事情はいかがですか?

P氏  私自身はよくある日本人的な「無宗教」ですね。シンガポールでは、華人は中国仏教や道教、マレー人はイスラム教、インド人はヒンズー教、そしてキリスト教はユーラシアンだけでなく多くの民族に信者を獲得しています。多宗教国家でもありますね。

■シンガポールの伝統的怪異

――伝統的なシンガポールの怪異といえば?

P氏  日本人が聞いてもまったく怖くないかもしれないのですが、「ハントゥ・テテ」と「オラン・ミニャック」でしょうか。ハントゥ・テテは意訳すれば「おっぱいお化け」で、巨大な胸で子供を隠してさらう妖怪なんです。夕暮れに子供が一人で遊んでいたらさらわれるよって、よくある話ですよね。元々はバリ島の魔女だともいわれます。別名で「ハントゥ・コペ(乳首お化け)」とも言われますね。

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画像は「yahoo! news」より引用

 オラン・ミニャックは意訳すると「油まみれ男」です。光る灼眼に禿げ頭、裸で全身を黒い油で覆われた悪魔です。もともとは人間で黒魔術によって愛を得ようとして悪魔と契約したが呪われてしまい、このような姿になったと伝えられています。若い女性の寝室に侵入して狼藉を働くそうですが、魔術的な黒い油によって、オラン・ミニャックは見ることも捕縛することも不可能だと言われています。

――現在の日本だと、むしろ喜ばれそうですね。

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画像は「singapore art museum」より引用

P氏  試しに検索してみてください。日本のアニメや漫画を好きな若者は東南アジアにも多いですから、恰好のネタになっていますよ。ハントゥ・テテは、一部男性の性癖に刺さりそうですし、元々はホラーなのに痴女扱いという意味では、今でいうネット上の「八尺様」のような扱いですよね。オラン・ミニャックはいわゆる非モテ男性のルサンチマンの具現化といいますか。興味深いと思います。

■天井を走り回る子供の霊、コピー機から印刷される「help」…!?

――お勤め先で怪奇現象が頻発中とか?

P氏  私が来たときから、天井を走り回る子供、誰もいないのに開閉し続けるエレベーター等は有名でした。私自身も天井を何かが這いずり回る音を聞いたことがあります。

 シンガポールは小さな島にある都市国家ですから、本当に土地がないんです。だから土葬のムスリムは大変なんですよ。ムスリムでなくても、墓地は一定年数を経たら1人から5人にまとめられるのも一般的です。つまり墓地の上に商業地やオフィス街を造成することがよくあるんです。たとえば、勤め先の近所にも、旧日本軍に粛清された人々の墓地が残っていたりしますが、三交代制勤務の工場で働く人々は「夜に働くと、どうしても何かを見てしまう」と言っていましたね。

――どんな怪異が現れますか?

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