コロナ禍に被害急増、新型闇金のヤバい手口! 「貸付けではない」強調し… 半グレが業種転換か!
準暴力団で“半グレ”の「怒羅権」メンバーである藤岡剛容疑者(40)が、2020年10月13日に貸金業法違反の疑いで大阪府警生活経済課に逮捕された。
藤岡剛容疑者らが行っていたのは「給与ファクタリング」という手法だ。これは給与を受け取る権利を買い取るというタイプの闇金で、債務者は給与を担保として金を借りることとなる。この手口をめぐっては、貸金業の登録をしていない“半グレ”が暗躍していた。彼らは手数料という名目で法外な金利を受け取り、債務者を泥沼に落としていたのだ。
この逮捕をきっかけに、給与ファクタリングという名前を使った闇金は地下に潜ったが、現在それに代わって新たに“半グレ”の間で考えられた「後払い・ツケ払い」という新手の闇金が急速に広まりつつあるという。
筆者はその実態に迫るべく、業者に直撃取材を行った。その顛末を述べる前に、取材した業者のシステムを改めて説明する。
債務者は「後払い・ツケ払い」業者に電話で借金を申し込む。業者は債務者の個人情報は当然のこと、給与明細や給与が振り込まれる通帳の取引履歴の他に、自撮りした写真などをメールや無料通信アプリなどで送らせる。通帳の取引履歴を見るのは、他の闇金や業者から借りていないことを確認するためだ。
そうやって債務者の全てを把握すると、業者は自分たちが持っている情報商材や絵画、動画などを債務者にダウンロードさせる。そして債務者が、誘導されたサイトにそれら商品のレビューを書き込むと“報酬”という名目の金が口座に振り込まれるシステムだ。報酬といっても実質は借金だ。返済日は債務者の給料日で、ダウンロードした商品の代金という名目で口座から金が引き落とされる。
今まで地下に潜っていた違法な給与ファクタリング業者は、この「後払い・ツケ払い」という名目の闇金にシフトしていたのだ。当然のことながら「金融ブラックでも可」や「即日対応」、「家族や会社にバレない」ことを謳い文句にしている。
今回、実際に業者に電話をかけたところ「給与ファクタリングと同じシステム」だと説明された。レビューを書くのだから貸金行為ではなく報酬ということになるので「違法ではない」とも付け加えるのだが、これもいずれ取締りの対象となるであろう。
次に報酬の金額を聞くと「初回なので9,000円」と提示され、「商品をネットでダウンロードし、レビューを書くとその金額が振り込まれる」と説明があった。返済は給料日に行い「後払い・ツケ払い」で購入した商品の代金32,000円を振り込めば全てが完了ということだ。
つまり、この業者で借りられる金額は9,000円だが、その返済金額は32,000円となる。当然のことながら、利息制限法や出資法などの上限をはるかに超える金額である。ちなみに情報商材ではなく、ギフト券などを使っている業者もある。
さらに取材に際して、この業者がホームページに記載している住所地に足を運んでみた。しかし、記載されている地番に該当会社は存在せず、その後の取材の電話もすべて拒否されたのは言うまでもない。
業者は「貸付けではない」ことを根拠として「違法ではない、他社の審査に落ちても貸す、総量規制外、信用情報に掲載されない」などの甘い言葉で借り入れを勧めてくるが、これこそが実質的には貸金業を行っていることを自ら言っているようなモノである。しかもその実態は、“半グレ”などが規制で厳しくなった給与ファクタリングから業種を変えて営業しているだけなので、一層の注意が必要であろう。
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