村人全員消失! 未だ解明されない史上最恐の「集団失踪事件」5選
※ こちらの記事は2016年4月14日の記事を再掲しています。
警察庁の発表によれば、平成25年の日本での失踪者は約8万4000人。数字だけをみてみると、失踪という事件はそれほど珍しいものではないのかもしれないという気にもなってくる。しかし、その失踪事件が一人ではなく、何人、何十人、それ以上の集団で失踪するとなると、話は変わってくる。原因や理由もなく、人間は消えてなくなりはしないものである。しかし記録をたどっていくと、歴史上には数々の集団失踪事件が残されている。中には奇怪そのものとしかいいようがない、原因も理由も方法も謎のままの事件もある。ここで、いくつかの奇怪な集団失踪事件を見てみよう。
■村人全員が消失したイヌイットの村
20世紀に入ってからの集団失踪として知られているカナダ北部のイヌイット居住区での事件である。1930年の11月のことである。吹雪に襲われた毛皮のトレーダーのジョー・ラベルはカナダ北部のアンジクニ湖近くにあるイヌイットの村へ避難のために立ち寄った。
その村は、イヌイットの村としては比較的裕福で人口1200人~2500人ほどであったという。しかし、そこで彼が見つけたものは、人一人いない村だったのである。彼は、村中を探し回るが、見つけたものは餓死して凍結した7匹の犬だけだった。カヤックも残されており、湖を渡ったとも考えられない。村の家は荒らされた様子もなく、イヌイットにとっては命綱ともいえるライフル銃などもそのままにされていたとのこと。食料品なども残されており、料理が置かれたままのデーブルなどもあったという。
すぐにカナダ王室騎馬警察隊(RCMP)へ報告され、その後の調査においても村人は一人も発見されることなく、奇怪なことに最近掘り起こされた可能性が高い墓が数個確認されただけであった。
■ロアノーク植民地集団失踪事件
ロアノーク植民地は、現在のアメリカ、ノースカロライナ州沿岸にある島で、16世紀後半にイギリスによるアメリカ大陸初の植民地となるはずであったが、島民全員が失踪してしまうという奇怪な事件のために現在でも「失われた植民地」としての名が残されている。
ロアノーク島への入植は、1584年に一度失敗していたが、1587年にジョン・ホワイトが率いる約120名の入植者たちによって、2度目の植民地化が進められた。しかし、物資の不足や、悪天候に加えて近隣の現地住民であったクロアタン族との関係も平和的なものではなく、植民地としての発展は非常に困難であった。
そこでホワイトは、現地の事情を説明し、物的・人的支援の要請のために一旦本国イギリスへ戻ることを決めた。島には自分の家族や友人たちを残し、3カ月で島へ戻ってくる予定で出発したホワイトであったが、おりしもイギリスはスペインとの「英西戦争」の真っ最中であり、支援を要請するどころか自身の船まで戦争のために押収され、ホワイトが再びロアノーク島に上陸したのは3年後の1590年の8月のこととなった。
そして、そこでホワイトが見つけたものは、完全に撤去された村の残骸だけであった。入植者は一人も存在せず、どこへ消えたかの痕跡さえ見つけることが困難で、ただ見つけられたのは木に掘りつけられた「CROATOAN」と「CRO」という文字だけだった。入植者たちは、危険回避のために島を放棄する際には木にマルタ十字を刻む取り決めがされていたが、それも発見することはできず、どこへ消えていったかは謎のままである。仮に疫病の集団感染ならば、死体や墓の跡があるはずで、他部族からの襲撃であれば、争った痕跡は残されているはずである。暗号のような謎に満ちた言葉だけが残された奇怪な集団失踪である。
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