森で迷子になった配達ロボット発見! 過去にはヒッチハイク中のロボット惨殺事件も!

 その日、森の中でサイクリングを楽しんでいたマシュー・マコーマック氏は、我が目を疑った。うっそうと茂った木々の間を、1台の配達ロボットがウロウロしていたのだ。

 舞台となったのはイングランド北東部、ノーサンプトンのリングス・ウッド自然保護区。地図を見る限り、都市部にありふれた自然公園のひとつだ。しかし、少なくともロボットがうろつくようなロケーションではない。

「街では食料品の配達とかやってるからそこら中にいるけど、まさかこんな場所で見かけるなんて驚いた。思わず写真を撮ったよ」

 そう語るのは発見者のマコーマック氏。写真をTwitterに載せたところ、25万件以上の「いいね」が寄せられた。

 なぜ、森の中で迷子になったロボットの写真が、ここまで人の心をくすぐったのだろうか? マコーマック氏は「R2-D2やWALL-Eのような愛らしいロボットを想起させるから」と考えている。

「絵面が面白いというのもあるけど、その一方で哀愁を呼び起こすのかもしれないね。我々は機械にも個性や人格といったものを投影しがちだ。そして、この配達ロボットは実際にとても可愛らしい」(マコーマック氏)

 同氏の元には、このロボットの目撃情報が他のTwitterユーザーからも寄せられているという。もしかすると、この森がお気に入りの通勤ルートなのかもしれない。

 さまようロボットといえば、2015年にヒッチハイクでアメリカ大陸の横断を目指したhitchBOTを思い出す

森で迷子になった配達ロボット発見! 過去にはヒッチハイク中のロボット惨殺事件も!の画像1
hitchBOT 画像は「Wikipedia」より引用

 hitchBOTはカナダの大学で開発された筒状のロボットで、表情を示すLEDパネルや、簡単なコミュニケーション機能を備えていた。胴体に四肢がつけられているものの自走能力はなく、善意ある人々の手を借りながら移動するというシステムで、それまでにカナダやドイツ、オランダでの旅を成功させていた

 ところが、アメリカ横断の旅は悲劇的な結末をたどる。出発からわずか3週間後、hitchbBOTからの連絡信号が途絶え、その後バラバラに破壊された姿で発見されたのだ。

 hitchBOTを”惨殺”した犯人は、8年経った今も特定されていない。マコーマック氏が森で出会ったロボットが、同じ運命をたどらないことを祈るばかりである。

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文=ゼロ次郎

2015年からライターとして活動。 得意ジャンルは国内外のB級ニュースや珍事件。「TOCANA」 「実話ナックルズ」「日刊SPA!」を中心に執筆しているほか、 南阿佐ヶ谷のライブハウス「Talking Box」で、出版関係のトークイベントを毎月開催中。
X: @zerojirou

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