「AIが人間の脳を消去し、身体を乗っ取る」MIT最新研究が未来を示唆! 意識は人工的に生まれる… “AI憑依”の恐怖!

 人間と同じような感覚と意識を持ち、自律的な行動で優れた能力を発揮するSF映画のようなロボットが近い将来登場するのだろうか。一部からは永遠に不可能だという声があるものの、この先、時間はかかるが十分にあり得るという見解も登場している。

■脳は入力される情報のノイズ除去に強弱をつけていた

 人間のように考えて行動するロボットの登場は、人類の科学技術にとって金字塔となる大成果であることは間違いない。しかし、それと同時に地球上の“主役”が人間からロボットへと入れ替わり、人類は“用済み”にされてしまうのではないかという一抹の恐怖もまた禁じ得ないかもしれない。この案件について鍵を握るのは、我々の脳への理解を深めることにあるという。

 我々は五感を通じて入ってくる情報のすべてにいちいち反応しているわけではないし、そもそもそんなことをしていたら疲れ切ってしまい、社会生活が営めなくなるだろう。

 映画を観ている時にはスクリーンに注目し、読書をしている時には活字に集中するといったように、我々の脳は今何に注意を払うべきなのか、その対象に“フォーカス”を当てているとこれまで考えられてきた。そして、この特定の対象に注目して集中することは、AIやロボットにはできないことであるといわれている。

 しかし、本当にそうなのか? 科学ジャーナリストで米海軍の退役軍人であるトリスタン・グリーン氏によると、これまでの脳活動の認識には重大な勘違いがあるのだという。いったいどういうことなのか。

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「Daily Star」の記事より

 米・マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが2019年6月に「Neuron」で発表した研究では、脳の前頭前野(PFC)は、大脳基底核(BG)から視床網様核(TRN)への経路を介した感覚のフィルタリングを調節していることが報告されている。

 これまで脳の前頭前野(PFC)は、我々が今何に注目すべきなのか“フォーカス”する対象を能動的に特定していると考えられてきたのだが、実際のメカニズムは決して能動的なものではなく、“ノイズフィルター”の制御によって行われていることが脳活動を詳しく分析することで突き止められたのである。

 人間の脳には大脳基底核(basal ganglia、BG)と呼ばれる大脳皮質と視床、脳幹を結びつける神経核が集まった領域があり、所作のコントロールに関連しているといわれている。科学者たちは、脳のこの領域が前頭前野から半ば独立して機能すると長い間信じてきた。

 何かに注目したり、アイデアを思いつくなどの知的活動は前頭前野が行っており、一方で大脳基底核は身体の動きに関連した判断を行っているという“体育会系脳”であると考えられてきたのだ。

 しかし、研究チームは脳はそれほど単純なものではなく、同じ経験が脳の異なる領域で同時に活動しており、脳は予めプログラムされたソフトウェアのように動いているのではなく、その都度プログラムを書き替えながら実行されている“量子マシン”であると説明している。

 思考は前頭前野が担い、運動は大脳基底核が担っていると考えるのは古いモデルであり、脳が注目するプロセスには前頭前野と大脳基底核の両方が関わっているという。

 主に視覚と聴覚からもたらされる情報は、大脳基底核という不要な情報を振るい落とす“ノイズフィルター”にかけられるのだが、この“ノイズフィルター”の制御を、実は前頭前野が行っていることが判明したのである。前頭前野は注目すべき対象に能動的にフォーカスしているというよりも、ノイズの除去に強弱をつけるという方法で、重要でありそうな情報を目立つように浮かび上がらせていたのだ。

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「Daily Star」の記事より

■人間の身体がAIに乗っ取られる未来!?

 脳は重要なものをピックアップしているのではなく、不必要なものをフィルターにかけて取り除くことで、結果的に重要なものを残していることになる。結果は同じであるとはいえ、この方法論の些細な違いが将来の人工知能(AI)の開発において大きな意味を持っているという。

 それどころか前出のトリスタン・グリーン氏によると、その一見小さな違いが人類の文明の運命さえ左右する可能性があるというのだ。

 そもそも人工知能(AI)は子どもや若者の脳を念頭に置いて設計されていて、物事をゼロから迅速に学ぶことができるという点でこの設計思想は正しいといえるのだが、その後は子どもの脳とAIは異なる道を辿ることになる。

 小さな子どもたちの脳は、感覚から得られる情報を実用的なものとして体験することによって成長し、学習し、経験知(暗黙知)を蓄積させていく。

 しかし、AIは何かを知覚する術を持っていない。AIは味わったり、見たり、嗅いだり、感じたり、聞いたりすることはできず、将棋や囲碁などで人間がまったく歯が立たない存在であるとしても、AIは将棋の駒の手触りを知ることはなく、高級な将棋盤の檜の香りを嗅ぐこともできない。

 このことから、AIがどんなに優れた計算能力を獲得しようとも、人間のような感性や意識を持つことはないと考えられてきた経緯がある。とすればやはり人間のように考えて行動するロボットがこの先、登場することはないのだろうか。

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