自己拡散する「伝染性ワクチン」開発進行中! 接種率5%で全人類に“免疫が感染”、しかし犠牲も(最新研究)

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イメージ画像:「Getty Images」

 今回のコロナ禍によって多くの人々がワクチンを接種したわけだが、近い将来、ワクチンを打つのは地域の5%の人で済むようになるかもしれないという。人に感染する“伝染性のワクチン”の開発が進められているのである。

■自己拡散する伝染性ワクチンの開発が進む

 この20年間にわたって目立つことなく開発が進められてきたのが自己拡散性のある伝染性のワクチンであるという。

 人々の間で感染が広がるウイルスと同じように、ワクチンもまた人づてに感染が拡大するというのは何だか奇妙にも思えるが、ワクチンを体内に取り込むのに注射が必要なくなるというのは便利で魅力的なアイデアであるかもしれない。

 米メディア「The Pulse」に寄稿した米ブラウンストーン研究所の精神科医、アーロン・ケリアティ氏によれば、NIH (アメリカ国立衛生研究所) は伝染性ワクチンの研究に資金を提供しており、すでに動物を使った伝染性ワクチンの実証実験が行われているという。

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「Mysterious Universe」の記事より

 伝染性ワクチンの開発に成功し導入された場合、その地域の5%が伝染性ワクチンを接種することで、残り95%の人々に“感染拡大”させることが可能であるという。そしてもちろん、集団予防接種のような時間と費用と労力を必要とせず、経済的混乱も引き起こさずにほんの数週間でワクチンが行き渡る可能性が高いということだ。

 科学者たちはすでに動物の集団での実証実験を行っており、2000年にスペインの研究者は70匹のウサギに伝染性ワクチンを注射し野生に戻した。すぐに数百匹の野生のウサギにワクチン感染が広がり、ウイルスの発生を止めたと報告されている。ヨーロッパ諸国は現在、豚インフルエンザなどに対処するために豚の間での技術開発をテスト中であるという。

■“打たない権利”はどうなるのか?

 今回のコロナ禍の後押しもあり、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの約12の研究機関が、自己拡散ワクチンの人間への適用を調査している。たとえば国防高等研究計画局(DARPA)は、西アフリカ一帯にみられる急性ウイルス感染症であるラッサ熱の予防のための伝染性ワクチンの開発を検討している。

 また2019年にイギリス政府は季節性インフルエンザに対処するためにこのテクノロジーの調査を開始している。イギリス保健省の研究論文は、大学生が感染のターゲットグループになる可能性があると指摘しているのだ。

 研究者たちは、弱毒化インフルエンザウイルスの伝染性ワクチンがいくらかの死を引き起こすことを認めているが、元のインフルエンザウイルスによる死者よりも少ないと推定している。

「伝染性ワクチンの致死性は低いですが、非致死性というわけではなく、人を死なせることがあります。全体的に死ぬ人は少ないですが、(伝染性ワクチンがなければ)生きていたであろう人も死ぬでしょう」(イギリス政府のレポートより)

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