人皮装丁本、人骨ラッパ、原爆ダーツ、死後写真… 怪しい古書店「書肆ゲンシシャ」店主が明かす超絶コレクションの秘密とは?

――【連載】驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する想像を超えたコレクションを徹底紹介!

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「書肆ゲンシシャ」外観

「驚異の陳列室」を標榜し、写真集、画集や書籍をはじめ、5000点以上に及ぶ奇妙な骨董品を所蔵する大分県・別府の古書店「書肆ゲンシシャ」。

 SNS投稿などでそのコレクションが話題となり、九州のみならず全国からサブカルキッズたちが訪れるようになった同店。今では少子高齢化にあえぐ地方都市とは思えぬほど多くの人が集まる、別府の新たな観光名所になっているという。

 本連載では、そんな「書肆ゲンシシャ」店主の藤井慎二氏に、同店の所蔵する珍奇で奇妙な本の数々を紹介してもらう。


■奇怪なコレクションを抱えるゲンシシャの税関問題

――初めて「書肆ゲンシシャ」を知る読者もいるかと思いますので、本の紹介の前にお店について、改めてご説明ください。

藤井慎二(以下、藤井)  うちは基本的に古書店・古本屋で、1時間1000円でジュースか紅茶を飲みながら、店内の本をお読みいただけます。いろんなジャンルのリストの中からいくつかお選びいただき、リクエストに沿って奥からオススメ本などをお出しする仕組みです。

――食人や殺人など、かなり怪しげなジャンルの本を、多岐にわたって取りそろえているんですね。

藤井  後述する死後写真や見世物小屋、戦争、死体、医学、遊郭、その他もろもろという感じです。本をご紹介しながら接客いたしますので、ご入店いただけるのはマックス5〜6人というところですね。

――実際に、本の購入も可能なんでしょうか?

藤井  もちろんです。あと、お店には本だけではなく、写真や骨董品もたくさんあります。死後写真などの「ダゲレオタイプ」や「人の皮膚で装丁された17世紀の本」、「人間の大腿骨でできた笛」……。そういうものも、ご覧いただけます。

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イメージ画像:「Getty Images」

――字面だけ読むと、とんでもない場所に思えてきますね。ちなみに、最も高価な商品だと、どれくらいの価格になるんですか?

藤井  「人の皮膚で装丁された本」になりますが、値段はちょっと言えないですね。アメリカから輸入したのですが、高かったですよ。

――17世紀のものとはいえ、人体(?)の輸入は法律的に大丈夫なんですか……?

藤井  大丈夫なんだと思いますよ。普通に税関は通りました。

――「book」と書いてあれば、一応通るんですかね(苦笑)。

藤井  でも、うちの場合、やっぱり輸入するとき、税関にはじかれることもあります。この間、イギリスのヴィクトリア朝の「浣腸器」を輸入しようとしたらダメでした。どうやら、日本では禁止されている金属が入っていたようです。イギリスのオークションで競り落としたのに……。

――いや、まずなんで浣腸器を買ったんですか?

藤井  昔は「浣腸は健康にいい」こととされていて、王侯貴族が日常的に浣腸していた時代があったんですよ。そのため、当時の浣腸器というのは、金属製で装飾もオシャレなんですよね。

――人の皮や骨は大丈夫なのに、浣腸器はダメなんですね……。


■コレクションの仕入れ先はアメリカやカナダの業者

藤井  同じような例で、「原爆ダーツ」というゲームを輸入しようとしたのですが、これもやはりダーツの先っぽに、日本では禁止されている金属が含まれていたため、税関ではじかれたことがありました。「人の頭蓋骨でつくられた盃」は普通に税関通りましたけどね。

――人の体よりも、金属のほうがある種、鬼門みたいですね。

藤井  確かに、そうですね。以前、カナダから「人間の肉の破片」を輸入したのですが、それも普通に税関を通りました。

――えぇ……? 人間の肉の破片って、どういうことなんですか……?

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