意識と肉体は分離可能! 臨死体験(NDE)の“共通パターン”が示す「死後の世界」とは?

 入院中に心肺停止をした患者の10%が報告している臨死体験(NDE)だが、本当に死後の世界はあるのか、それとも科学的に説明ができる生理現象なのだろうか――。

※ こちらの記事は2020年10月4日の記事を再掲しています。

■NDE体験者が語る似通ったストーリー

 心臓発作、鈍的外傷、ショック、窒息などの生命を脅かす経験によって引き起こされる臨死体験(NDE)だが、死後の世界を垣間見る神秘的な体験であるのか、それとも死の瀬戸際で訪れる独特な生理的現象による“幻覚”であるのか、今のところはまだ理解は進んでいない。

 NDEを報告する者の75%は、できればそのまま留まっていたかったというポジティブな体験であったと語り、わずかではあるがネガティブな体験であったと報告する者もいる。そしてポジティブなNDE体験者は似通ったパターンの体験談を語っている。

 体験談で暗いトンネルを通過して出口に明るい光を見たという描写はきわめて一般的である。また身体を離れて天井から自分を見下ろしていたり、意識だけが宇宙へ旅立ったりすることなどもよく語られている。さらに存命、死別にかかわらず愛する人に出会ったり、または天使などの聖なる存在、さらにはイエスやモーセなどの神や聖人にさえ出会うことが頻繁に報告されている。体験者は無条件の愛に包まれ、宇宙と深く結びついていると感じているのだ。

意識と肉体は分離可能! 臨死体験(NDE)の共通パターンが示す「死後の世界」とは?の画像1
画像は「The Irish Times」より引用

 これまでの人生が走馬灯のようによみがえった後、知恵と愛を醸成して成長するために何をどのように努力したのかを何らかの“存在”から尋ねられたこともよく語られている。体験者は心地よいこの世界にずっと滞在したいと願うものの、自分の体に戻らなければならないと言われて死の淵から生還している。興味深いことに、無神論者も宗教人と同じくらいの割合でNDEを有しているという。そして少なくない人々が、NDEは死後の世界の存在を示すものであると信じている。

 NDEは新しい現象ではなく、レポートは中世にまでさかのぼる。たとえば、アイルランド出身のイギリス海軍少将で水路学の第一人者であったフランシス・ボーフォート氏は、1791年に溺死寸前で体験したNDEを鮮やかな記憶でもって報告している。

 NDEは、人間の意識(マインド)が人間の脳から独立して存在できる可能性を高めている。体験者はたとえば、手術室の中の天井近くで浮いていて、蘇生に必死に取り組んでいる医師や看護師を見下ろしたと報告している。その後、これらの患者は、この時間内に彼らが見聞きしたことを正確に報告しているのだ。ということは意識と肉体は分離できるものであり、臨死体験は体外離脱から始まるということになるのだろうか。

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