ホームレスに食事を奢った美女が惨殺される… 動機、食事中の殺意、無罪の理由… 全豪が恐怖に震えた事件
2019年、ソーシャルワーカーのコートニー・ヘロンさんが、夕食をご馳走したホームレスに撲殺されるという凄惨な事件が起こった。心優しい彼女が手をさしのべた相手は、社会内処遇令が適用され、精神鑑定が行われないまま刑務所から出所したばかりの前科者だったのだ。事件後、犯人は統合失調症と診断され、無罪判決を受けている。一般社会における精神疾患者との共存は、どこの国でも人権に関わる難しい課題となっているようだ。
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※ こちらの記事は2021年7月21日の記事を再掲しています。
こんな痛ましい事件があっていいのだろうか。親切心から人を助けたにも関わらず、その相手に殴り殺されるという、神も仏もないような現代社会――!
■食事を奢られたホームレスの凶行
2019年5月25日夜。オーストラリア・ビクトリア州のメルボルンで、ソーシャル・ワーカーとして働くコートニー・ヘロンさん(25歳)は、いつものように困っている人に温かい手をさしのべていた。コートニーさんを知る人々は皆、彼女が自分のことよりも先に、誰かの幸せを願う女性だったと話す。
そんな彼女が、ホームレスのヘンリー・ハモンド(27歳)に夕食をご馳走したのも、至極当たり前の行為に違いなかった。
ヒップな若者で賑わう街、ブランズウィックにあるベジタリアンレストラン。コートニーさんと連れの男性がビールで乾杯し、楽しげに話しながら食事をする姿が店の防犯カメラに映っていた。ときには、ホームレスの青年を励ますかのように、優しく彼の手に自分の手を添えるコートニーさん。まさか、これが“最後の晩餐”になるとは、夢にも思わなかっただろう。
翌朝4時過ぎ、市内のロイヤル・パークでコートニーさんはヘンリーに公園の樹木でもって残酷になぶり殺されてしまった。理由は、コートニーさんが「前世で、俺の愛する妻を生き埋めにして殺した犯人だと気づいたから、仇を討った」というものだ。
恐ろしいことに、レストランの防犯カメラに映る別のシーンでは、ハモンドがテーブルのステーキナイフを弄ぶ、不吉な瞬間が確認できた。すでにディナーの席で、凶行を腹積もっていたということか。
鑑識の結果、彼女の死因は凄まじい撲殺によるものと判明。損傷が激しすぎて、悲嘆に暮れる父親のジョン・ヘロン氏が、娘の遺体を見ることは許されなかったという。
「コートニーの身体はシーツで覆われていて、私はシーツの上から娘の足に触れることしかできませんでした。頭部の傷はあまりに酷かったため、葬儀屋も娘の頭蓋骨を元通りにすることは不可能でした」(ジョン・ヘロン氏)
■統合失調症と診断され無罪判決
実は、事件当時ホームレスだったハモンドは、刑務所から出所したばかりだった。元カノの首を絞め、ナイフで脅したかどで懲役10カ月を食らっていたが、2019年5月の裁判で「社会内処遇令(Community Correction Order)」が適用され、牢屋への逆戻りを免れたのだった。
このCCOとは、オーストラリアで前科者に社会復帰のチャンスを与えるために考案された保護観察制度だ。監視等の一定の条件付きで、罪を犯した者が地域コミュニティの中で暮らすことを許可している。ハモンドもCCOとなったわけだが、裁判では彼に対して精神鑑定が行われず、そのままCCOで片付けられてしまったのだった。しかも、ハモンドは事実上の車上生活者であり、当局は彼の居場所を把握していなかったという。そして6週間後、コートニーさんの命が奪われた。
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2024.10.02 20:00心霊ホームレスに食事を奢った美女が惨殺される… 動機、食事中の殺意、無罪の理由… 全豪が恐怖に震えた事件のページです。ホームレス、統合失調症、レストラン、殺人事件、防犯カメラ、佐藤Kay、無罪、精神疾患などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで