クリスマス音楽はメンタルヘルスに悪い! 心理学者「今すぐ音楽を止めるべき、さもなくば…」
ノスタルジーを感じさせ、ホリデー気分を一層高めてくれるクリスマスソング。しかし、街中で何度も同じ音楽を聞いているうちに、うんざりした気分に…という経験を持つ人も少なくないだろう。
この現象には、心理学における”単純接触効果”が深く関係しているようだ。一般的に、繰り返し接することで好意度や印象が高まる効果として知られているが、ある閾値に達すると、好意がマイナスに逆行してしまうのだという。
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※ こちらの記事は2018年10月23日の記事を再掲しています。

今年もクリスマスの季節が近づいてきた。ハロウィンを過ぎれば街中でクリスマスソングが聞かれるようになるだろう。マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」、ワムの「ラスト・クリスマス」、山下達郎の「クリスマスイブ」、松任谷由美の「恋人がサンタクロース」、定番のクリスマスソングがお祭り気分を高めてくれる……。だが、科学ニュース「Science Alert」(10月17日付)によると、こうしたクリスマスソングは精神衛生に悪いと心理学者らが警告しているというのだ。
店内で繰り返し流されるクリスマスソングにわずらわしさを感じたことがある人もいるだろう。心理学者のリンダ・ブレア氏によると、その感覚は科学的にも正しいそうだ。
「クリスマスの時期にショップで働く人はクリスマスソングを止めるべきです。さもなくば、何にも集中できなくなってしまいます」(ブレア氏)

ブレア氏によると、聴き始めはノスタルジアを感じさせるクリスマスソングも、10回も20回も繰り返し聴いているうちに苛立ち、退屈、苦痛を感じさせるようになるという。
その理由は心理学で古くから知られる「単純接触効果」によるものだ。
単純接触効果は、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果のことを指す。対象は人であったり、衣服、味、においなどさまざまだ。商品がより人の目に触れる機会を増やす広告も単純接触効果を利用したものと言えるだろう。
しかし、これにはネガティブな効果もある。心理学者のヴィクトリア・ウィリアムソン博士によると、繰り返し流されるクリスマスソングにおいても、何回も聴くうちに徐々に好意度が増していくことには変わりはないが、それがある閾値に達すると、好意がマイナスに逆行するのだという。

一方、米・ワシントン州立大学の研究によると、そうした音楽は買い物客の購買意欲をそそる効果があることがわかっている。休日の店内で休日らしい音楽を流したところ、買い物客は通常よりも長時間店に滞在し、リピート率も向上、購買意欲も高まったそうだ。
単純接触効果に照らしてみても、クリスマスソングは一時的に店に滞在する客に対しては好印象を残すが、勤務中にエンドレスでそれを聴かなければならない店員にとっては苦痛になると言えるだろう。

また、同研究によると、ゆっくりとしたテンポの音楽でも買い物客の滞在時間は長くなり、多くの金額を遣ったという。冒頭に挙げたクリスマスソングでは、山下達郎の「クリスマスイブ」が比較的ゆっくりとしているかもしれないが、それでも繰り返し聴かされれば辛くなってきそうだ。マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」よりはマシかもしれないが……。
いずれにしろ、今年も店員さんたちの苦悩は続きそうだ。いつかこうした研究が公に認知され、少しでも彼らの労働環境が改善していけば何よりである。
参考:「Science Alert」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊クリスマス音楽はメンタルヘルスに悪い! 心理学者「今すぐ音楽を止めるべき、さもなくば…」のページです。クリスマス、メンタルヘルス、クリスマスイブ、クリスマス音楽、ラスト・クリスマス、単純接触効果、恋人がサンタクロースなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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