24の元機密資料から見るアメリカの実像! 本物のUFO動画、ルーニクの誘拐、民間機撃墜事件(後編)
機密指定が解除された政府文書からかつてのアメリカの実像が浮かび上がってくる――。空飛ぶ円盤についての報告書からマインドコントロール実験まで多岐に及ぶこれらの文書だが、はたして東西冷戦時代のアメリカは何を考え、何を必要とし、何を恐れていたのか。24の機密指定解除文書から仄見える冷戦下のアメリカの実像とは。後編では民間機撃墜事件から“本物のUFO動画”流失の真相を追う。
イラン航空655便撃墜事件
1988年、ペルシャ湾で米海軍の艦船がドバイに向かう途中のイランの民間航空機(イラン航空655便)を撃墜し、搭乗していた290人の乗客全員が死亡した。機密解除された文書によると、艦船の兵員はミサイルを発射する前に、民間機を敵の戦闘機と誤って識別していたことが明らかになっている。
アメリカは1996年にイランと和解し、イランの犠牲者の家族に補償するために6180万ドルを支払うことに合意したが、アメリカ政府は謝罪したことを内外に発表しなかったのだ。国防総省は1988年にこの事件の機密指定を解除して公式調査を実施したが、旅客機を撃墜した海軍士官の過失を認めなかった。
しかし国防総省による調査を受けて、何人かのジャーナリストが公式報告とその後の出来事の説明との不一致を指摘した。たとえば旅客機の飛行は当初、標準ルートから逸脱したと言われていたが、後に誤りであることが判明した。さらに報告書では米海軍艦はミサイル発射時に公海で活動していたと述べているが、実際にはイランの領海で活動していた。
ルーニクの誘拐
機密解除されたある文書には、まるでジェームズ・ボンド映画のワンシーンのような記述がある。「ルーニクの誘拐」という題名のこの文書は、ソ連の月探査機「ルーニク(Lunik)」を一晩のほんの少しの時間“拝借”するというCIA主導のミッションの物語である。
「ルーニクの誘拐」は、1960年代初頭の米ソ宇宙開発競争の最盛期に起こった。宇宙開発をリードしていることを示すために、ソビエトは当時最新鋭の月探査機であるルーニクの実物を展示する展示会を各国で開催したのである。
ある夜、CIAの覆面捜査官は人工衛星を都市から都市へと輸送していたトラックの運転手に、近くのホテルで休憩してその間に人工衛星を自由にさせてくれるように説得したことが明らかになっている。運転手を金で買収したことは間違いないだろう。
運転手の休憩中に、彼らはこのソ連の月探査機をしばらくの間拝借して可能な限り分解し、機体と部品の写真を逐一撮影したのだった。
情報収集が終わった後は再び組み立ててトラックに戻されたのだが、文書によればこの行為がソ連側に気づかれた形跡はないということだ。
リバティー号事件
1967年6月8日、イスラエルと近隣のアラブ諸国との間の紛争である第三次中東戦争(六日戦争)の最中に、イスラエルの航空機が、アメリカ国家安全保障局(NSA)の情報収集船である「USSリバティ」を攻撃した。
この攻撃で34人のアメリカ人が死亡し、さらに171人が負傷した。アメリカの同盟国であるイスラエル側が敵艦と誤認したのだろうか。
機密解除されたNSAの報告書によると、イスラエル政府が今後の戦闘に関する機密情報を傍受するのを防ぐために、いわゆるこの「スパイ船」に発砲するつもりだったと多くの人々が信じているという。つまり攻撃は意図的であったというのだ。
しかしアメリカとイスラエルの両方の機関による公式調査は、攻撃は意図的なものではないと結論付けており、パイロットはUSSリバティが敵艦であると信じきっていたことを確認したということだ。この機密解除されたNSAレポートは、論争の的となっている問題に関するNSAの立場を説明する内容になっている。
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2024.10.02 20:00心霊24の元機密資料から見るアメリカの実像! 本物のUFO動画、ルーニクの誘拐、民間機撃墜事件(後編)のページです。UFO、CIA、米軍、機密文書、冷戦などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで