スラヴ民話の魔女バーバ・ヤーガとは? すり鉢に乗って飛び、子どもたちを捕食し…

 天使か悪魔か――。スラヴ民話では恐ろしくもあり慈悲深くもある謎の老婆「バーバ・ヤーガ」の話が語り伝えられている。

スラヴ民話の魔女バーバ・ヤーガとは?

 スラヴの民間伝承に登場するバーバ・ヤーガ(Baba Yaga)は愛に満ち溢れた母性の象徴である一方、子供を誘拐して殺して食べる邪悪な魔女でもあるという二面性を持つ。出くわした人間を支援したり妨害したりし、彼女の家の敷地に足を踏み入れた人間を殺して調理して食べたりもする。

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画像は「Wikimedia Commons」より

 魔女はホウキで空を飛ぶが、バーバ・ヤーガはすり鉢に乗り、すりこぎ棒を持って飛行する。

 その名前の由来は不明だが、バーバは「老婆」または「祖母」に近い意味で、ヤーガは「ヘビ」から「邪悪」までの意味を持つという。記録に残るバーバ・ヤーガの物語は1755年が最初のものだが、口述伝承や絵画などではさらに昔からその存在が語られてきた。

バーバ・ヤーガの設定

 バーバ・ヤーガの最も一般的な描写は、1人の老婆または3人の老姉妹として描かれ、全員がやせっぽちで、鋭い鉄の歯を持ち、鼻が長く突き出ているという外見だ。

 魔女がホウキに乗っているのに対し、バーバ・ヤーガはすり鉢に乗って移動し、すりこぎ棒を操縦桿と杖の両方の用途で使っている。

 バーバ・ヤーガに関する物語はたくさんあるが、その舞台のほとんどは森の奥深くにある彼女の一軒家の中で起きている。

 伝説によると彼女の家は人間の骨で作られたフェンスに囲まれ、屋根には鶏の頭があり、鶏の脚を柱にした高床式の家屋になっている。

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画像は「Wikimedia Commons」より

 バーバ・ヤーガについての物語では通常、彼女の家の敷地に足を踏み入れた者が殺されて家の中にある大きなオーブンで調理されて食べられてしまうというパターンだ。

 このような旺盛な食欲にもかかわらず、バーバ・ヤーガは常にやせっぽちの人物として描かれ「骨ばった人」というあだ名さえつけられている。

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