賞味期限切れの食べ物の“新期限”と確認方法とは? 卵は○○に入れる、牛乳は3カ月もつ、食パンやパスタは…13種類紹介
昨今何かと話題の「食品ロス問題」だが、冷蔵庫の中から、いつの間にか忘れていた食品が出てきたという経験はないだろうか。記載されている賞味期限や消費期限が過ぎているとはいえ、まだ手をつけていない食材を捨てるのは、やはり気が引けるもの。まだ食べられるものなのか、万一のことを考えて捨てるべきなのか、迷ったことがあるという人も少なくないはずだ。
日本は世界的に見ても食品に対する衛生基準が厳しく、冷蔵庫で保管している殻付きの卵であれば、しっかり火を通すことで、賞味期限を過ぎた後もしばらく食べることができるというのは有名な話だが、食品科学の専門家、ジュディス・エヴァンズ教授にいわせれば、生卵も賞味期限から2〜3週間後までは問題なく食すことができるとか。過去にトカナでは、エヴァンズ教授が提唱する食品を安全に食べられる新期限について取り上げている。健康に関わるものなので自身の体質と相談し、生活の知恵として頭の片隅に入れておいてもいいだろう。
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※ こちらの記事は2019年4月25日の記事を再掲しています。
まだ食べられそうな食品でもなにかと気にしてしまう消費期限と賞味期限。だが、日本でこれらの期限が制定されたのは1985年以降のこと。それ以前は五感を頼りに品質を確かめてきたのだ。本当に消費期限と賞味期限を厳守する必要はあるのだろうか?
英紙「Daily Mail」(4月20日付)が、食品科学の専門家であるジュディス・エヴァンズ教授が設定した食品を安全に食べられる新期限を紹介している。日本は他国と比べても賞味期限がはやいといわれているが、イギリスはどうなのか、見てみよう。
卵
殻付きの卵であれば冷蔵庫の中で何カ月も保存することができる。英国食品基準庁によると、黄身と白身が完全に固くなるまで茹でた卵であれば、賞味期限から2日経過しても安全に食べることができるとのことだが、エヴァンズ教授によると、生卵でも賞味期限から2、3週間は問題なく食すことができるという。
卵の質を確かめる簡単な方法がある。水に卵を浮かべてみるのだ。卵が底まで沈めば最高の状態、ゆっくりと沈むならばまだ安全な状態、浮かぶようなら危険な状態だという。卵は品質が良いうちはガスを発生するため水に沈むが、品質が悪化すると中に空気が溜まり水に浮くようになる。
牛肉(ステーキ用)
牛肉はできれば1~2℃、最高でも5℃以下で冷蔵することが望ましい。そうすれば購入後から最高で16日間は保存できる。ただし、消費期限表示がある場合は期限後24時間以内に食べなければならない。
牛肉は品質が悪化すると茶色かグレーに変色し、見た目に光沢がなくなる。不快な臭いがし、火を通してもまだ臭いが深いならば、すぐさまゴミ箱に捨てるべきだ。
鶏肉
冷蔵庫に入れておいた鶏肉も生ならば消費期限から1日が限度。生の鶏肉にはサルモネラ菌やカンピロバクターといったバクテリアが存在し、時間経過とともに危険なレベルまでその量が増えてしまう。しかも、これらのバクテリアが増殖しても臭いや見た目で判断することは難しい。あまりに時間が経った鶏肉はアンモニア臭を発する。
魚
生の魚は消費期限内に食べるべきだ。最高でも消費期限から24時間が限度。魚が生臭いのは当たり前のことだが、あまりにもその臭いが強い場合は、すでに状態が悪化している証拠となる。
燻製にされた魚は、冷蔵庫で保管すれば消費期限後3日以内ならば安全に食べられるとのことだ。
牛乳(低脂肪乳)
未開封の低脂肪乳(Semi-Skimmed Milk)であれば、消費期限から2日以内は安全だという。確実に判断するためには少し口に含んで酸味がないか確かめる方法がある。脂肪分が少ない牛乳のほうが長持ちするとのことだ。
また、バターは冷蔵庫に入れておけば消費期限から2週間は大丈夫で、ヨーグルトも消費期限から2日以内は食べてもよいそうだ。ただし不快な味がしたら、口にしない方が賢明である。
牛乳やバターは冷凍保存すれば3カ月もつそうだ。
チェダーチーズ
固いチーズは冷蔵庫で保管すれば賞味期限から6週間は安全に食べられる。ただし、表面に付着したカビは切り取らなければならない。パルメザンチーズの外側の固い皮(parmesan rinds)は冷凍で3カ月保管できる。
カマンベールなどの柔らかいチーズは未開封であれば賞味期限後1週間もつが、カビが生えていたら絶対に食べてはいけない。リステリアやE.coliといったバクテリアが繁殖している危険がある。
食パン(スライス)
食パンは未開封であれば室温で5~7日間もつ。むしろ冷蔵庫に入れてしまうと、より早く品質が劣化してしまう。これはスターチのリサイクルが加速されてしまうからだという。ただし、冷凍すれば半年は大丈夫とのことだ。
食パンに青カビが生えていたら、その部分を周囲数センチから切り取れば良い。ただし、黒カビが生えていたらすぐに捨てるべきだ。
袋入りサラダ
袋入りサラダは未開封であれば消費期限後24時間は問題ない。ただし開封してしまったら期限通りに廃棄すべきだという。
2016年の研究では、サラダの袋の中はサルモネラ菌にとって理想的な環境になっていることがわかっているそうだ。
じゃがいも
じゃがいもは消費期限後3週間もつ。緑色に変色し、芽が出ても、それらを切り取れば食べることができる。カビが生えてもその部分を切り取った上で、中身がクリーム色で固ければ問題ない。柔らかい場合も食べられるが、味の保証はない。
いちごジャム
未開封のジャムは賞味期限後半年から1年もつ。開封した場合は冷蔵庫に入れていれば1カ月は食べられる。カビが生えても表面から2~3センチ削り取ればよい。ただし変な味がすれば捨てるべきだ。
乾燥パスタ
乾燥パスタや生米ならば密封されていれば賞味期限後2年間食べることができる。カビやバクテリアが繁殖する恐れがないからだ。ただし時間とともに味や匂いは失われていく。
生パスタは開封せず冷蔵庫に入れておけば賞味期限後1週間もつが、開封してしまったら賞味期限後1、2日しかもたない。
生米は賞味期限後も何カ月ももつが、玄米は消費期限後1カ月が限度。玄米に含まれる油分が劣化を早めるためだという。
トマト缶
缶詰食品はおおむね長い賞味期限を持つが、トマトや豆類は賞味期限よりも1年間長く保つ。ただこれは未開封であり、温度の低い暗い場所で保管されていた場合である。
一度開封したら中身を取り出し別の容器に移し替え密閉したほうが良い。悪臭がしたり、カビが生えたら、もちろん口にしてはならない。
また缶に凹み、漏れ、膨らみがある場合はすぐに捨てるべきだ。
ミートパイ
ミートパイは消費期限通りに食べなくてはならない。加工肉にはリステリアが含まれている場合があるからだ。もちろん冷蔵庫で保存しなくてはならない。
多くの冷蔵庫は5℃程度に設定されているが、場合によっては14℃になっている機種もある。一度、冷蔵庫の温度を確認しておいたほうが良いかもしれない。
体の中に入れるものにはどうしても神経質になりがちだが、なんでもかんでも賞味期限を絶対視する「賞味期限パラノイア」は食品ロスの観点から見ても家計の面から見ても得策ではないだろう。エヴァンズ教授の指摘を参考に食べ物は大切に扱いたいものだ。
参考:「Daily Mail」、ほか
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