英国の2023年もっとも物議をかもしたテレビ番組20がヤバい!

 イギリス国内の放送倫理を規制する「Ofcom」が先日、国内で最も物議を醸したテレビ&ラジオ番組を発表した。いったいどんな番組がイギリスで不評を買い、非難されたのだろうか――。

苦情が寄せられた番組トップ20を発表

 日本よりもはるかに長い歴史を持つイギリスのテレビ文化だけに、番組の内容に関する意見や苦情を受け付ける機関も古くから存在している。

 日本の「BPO」にあたる機関がイギリスの「Ofcom」で、イギリス国内における電気通信、放送等の規律監督を行っている。このOfcomが今年最も視聴者から苦情が寄せられた番組のトップ20を先日発表した。

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「Daily Mail」の記事より

 2200件の苦情が寄せられてトップに輝いたのは3月13日に放送された「Channel 5」の「Jeremy Vine show」で、番組ホストのジェレミー・ヴァインの発言に苦情が殺到して“炎上”したようだ。

 イギリス国内では昨今、いわゆる“エッセンシャルワーカー”たちが待遇改善を求めてデモやストライキを行っている動きがあるのだが、医療の現場で低賃金で働く研修期間中のジュニアドクター(junior doctor)たちもストライキを行っている。

 このニュースについてヴァインは研修期間はせいぜい4、5年であると番組で説明したのだが、それは間違っていて最長で8年にもなるという視聴者からの指摘が殺到したということだ。

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「Daily Mail」の記事より

 2位は「Captial FM」の「Ant Payne」で、DJのアント・ペインが大惨事となったトルコ・シリア地震の数日後、休暇でトルコに行くというタイミングをわきまえないブラックジョークを口にして、1000件以上の苦情を受けた。

性別適合手術を特集した番組に苦情殺到

 トップ2は“炎上”であったが、3位となった「Channel 4」の「Naked Education」はシリーズの開始以来、コンスタントに苦情が寄せられ、今年も1413人が規制当局に苦情を申し立てた。

 アンナ・リチャードソンが企画するこのシリーズは、イギリス中の人々を集めて自分の身体について話し合い、身体異形症、美容整形、トランスジェンダーの性別適合手術などのトピックに取り組んでいる。

 セラピストでライターのジェームズ・エセス氏は「Spectator」に寄稿した記事で番組のメッセージの「完全な矛盾」を指摘して批判している。

「自分を受け入れるための答えは、不可逆的な手術によって自分自身を根本的に変えることだと若い人たちに教えることは、まったく一貫性がなく、危険なほど不誠実です」(ジェームズ・エセス氏)

「Channel 4」は番組を擁護している。

「『Naked Education』は、バランスの取れた身体にポジティブなプログラムであり、会話を刺激し、すべての体型を正常化し、人々の違いを擁護し、膨大な数の人々がソーシャルメディアでさらされているステレオタイプを打破することを目的としています。参加したすべての人は、適切な同意と身元調査を行っており、撮影中および撮影後にサポートを受けました」(「Channel 4」広報)

 特に2人のトランスジェンダー男性が登場した回には多くの意見が寄せられ反響を呼んだ。

「2人の出演者が勇気を持ってストーリーを共有してくれたことに心から感謝しています。視聴者がこのストーリーを有益で啓発的なものと感じてくれることを願っています」(「Channel 4」広報)

 題材そのものが議論を招くものであるだけに、子供に見せたくないと感じる親も多そうである。

動物愛護の観点からの苦情

 3位の「Love Island」はいわゆるリアリティ番組で、過去に3人の自殺者を出したいわくつきの番組である。

 男女の若者が無人島で共同生活を送り、その様子を負っていく内容なのだが、昨年には視聴者から5000件を超える苦情が寄せられ、放送する「ITV2」はガイダンスを変更し、参加者へソーシャルメディアからのアドバイスを提供するようになった。

 4位にランクされている「ITV」が放送した世界最高峰の競馬レース「グランドナショナル2023」では、動物愛護団体の活動家らがコースに侵入しようとするなどしてレース前に多くの逮捕者が出た。ちなみに同レースで命を落とす馬が少なくないことから一部の動物愛護団体がレースの中止を要求しているのである。

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「Daily Mail」の記事より

 番組キャスターのエド・チェンバリンはフェンスを登る抗議者に「同意しない」と言及したことで、すぐに653件の苦情が寄せられ、累計では746件にのぼったという。

 5位の公開オーディション番組「Britain’s Got Talent」は、日本人お笑い芸人の活躍でちょうど今話題だが、品のない芸も少なくなくコンスタントに苦情が寄せられている番組だ。

 6位の「Channel 4」のリアリティ番組「Scared of the Dark」では、有名人が完全な暗闇の中で8日間のサバイバルに挑戦する企画なのだが、女優のドナ・プレストン、元プロボクサーのニコラ・アダムスとクリス・ユーバンク、歌手のマックス・ジョージらが出演した回では、暗闇の中で箱に手を入れるシーンがあり、箱の中にはウサギが入っている場合もあった。これは動物愛護の観点からNGではないかと、視聴者から少なくない数の苦情が寄せられたのだ。

 テレビ番組の内容については日本でもこれまで多くの問題と議論を招いているが、それはイギリスをはじめ世界各国でも同様だ。こうした統計資料から表現の自由とコンプライアンスについて今何が問題なのかが浮き彫りになってくるのは興味深い。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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