最恐の幽霊屋敷アミティビルで撮影された一枚の“呪われた心霊写真”は本物なのか

アメリカの超常現象史において、その名を知らぬ者はいない呪われた屋敷「アミティビル」。一家惨殺事件の舞台となったこの家で、一枚の奇妙な心霊写真が撮影された。階段の脇からこちらを覗き込む、青白い顔の少年。その姿は、かつてこの家で惨殺された末の息子にそっくりだという。これは本物の幽霊なのか、それとも巧妙なトリックなのか。半世紀近くにわたり、人々を恐怖させ続けてきた謎の写真の真相に迫る。
惨劇の舞台、オーシャン・アベニュー112番地
物語は、ニューヨーク州ロングアイランド、オーシャン・アベニュー112番地に建つ一軒家から始まる。1974年、この家でロナルド・デフェオ・ジュニアが、両親と4人の兄弟姉妹を、彼らが眠っている間にライフルで惨殺するという凶悪事件が発生した。
翌年、この家にラッツ一家が入居するが、わずか28日間で逃げ出すように退去。「謎の声、吐き気を催す悪臭、悪魔のような幻覚」など、耐え難い超常現象に悩まされたと主張した。彼らの体験談は後に『アミティビル・ホラー』として書籍化・映画化され、この家は世界で最も有名な幽霊屋敷となった。

赤外線カメラが捉えた“招かれざる客”
ラッツ一家の体験談には多くの疑問が投げかけられているが、この家の謎を深める、もう一つの奇妙な“証拠”が存在する。それが、1976年に撮影された一枚の心霊写真だ。
当時、著名な超常現象研究家であったエド&ロレイン・ウォーレン夫妻は、テレビクルーと共にこの家の調査に乗り込んだ。その調査チームに同行していたカメラマン、ジーン・キャンベルが、赤外線フィルムを装填したカメラで家の中を撮影していた時のことだ。
後日、現像された写真を見て、彼は言葉を失った。階段の近くのドアの陰から、こちらをじっと見つめる、小さな男の子の姿が写り込んでいたのだ。輝く目、青白い顔…。その姿はあまりにも鮮明で、まるでそこに生きているかのようだった。しかし、調査の最中、その場に子供など一人もいなかったはずだった。

殺された息子か、調査員の見間違いか
この写真が公開されると、写り込んだ少年が、かつてこの家で殺害されたデフェオ家の末の息子、ジョン・マシュー・デフェオに驚くほど似ていることが判明した。多くの人々が、これは安らかに眠ることのできない、彼の幽霊の姿だと信じた。
しかし、もちろん懐疑的な意見も存在する。
調査員の見間違い説: 当時、調査チームにはポール・バーツという、比較的若く小柄なメンバーがいた。彼が偶然写り込んだのを、子供の幽霊と見間違えたのではないか、という説。
偽造説: 写真が公開される段階で、話題作りのために何者かが偽造したのではないか、という説。
霊の有無を超えた“本当の謎”
今日に至るまで、この写真の真偽をめぐる議論に決着はついていない。偽の心霊写真か、それとも本物のジョン・マシュー・デフェオの霊なのか。その答えを出すことは、もはや不可能に近いだろう。
しかし、この「アミティビル」の物語には、幽霊の存在など必要ないのかもしれない。なぜロナルド・デフェオは、愛する家族全員を惨殺しなければならなかったのか。その動機には、今なお多くの謎が残されている。
本当に恐ろしいのは、写真に写る幽霊ではなく、人間の心の奥底に潜む説明不可能な闇なのかもしれない。

参考:Mysterium Incognita、ほか
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2024.10.02 20:00心霊最恐の幽霊屋敷アミティビルで撮影された一枚の“呪われた心霊写真”は本物なのかのページです。幽霊、心霊写真などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで