古代ハワイ人は火山で「溶岩サーフィン」をしていた! 火山の女神に捧げる自己犠牲の儀式

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「ヘエホールア溶岩ソリ」と呼ばれるソリ遊ぶがある。ハワイ先住民の伝統的なスポーツで、長さ3.7メートル、幅15センチの木製ソリ(パパホールア)を使用する。ソリは立ったり、寝たり、膝をついたりして、人工または自然にできた岩のコース(カフア・ホウルア)を走り、時速80km以上のスピードに達することもあるという。これはスポーツであると同時に、神々を敬う宗教的な儀式と考えられており、ハワイの火山の女神ペレに捧げる自己犠牲の儀式として、溶岩で覆われた山肌を滑り降りたといわれている。

 18世紀後半にハワイが植民地化されたことで、先住民の歴史はその多くが紛失、ヘエホールアに関する資料もほとんど散逸してしまった。

 トム・ポハク・ストーンはそんなハワイの伝統を復元しようとしている人物の1人だ。パパホールアを再現し、古代の溶岩滑りを現代に蘇らせようとしている。

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 現在、ヘエホールアが行われていたと考えられる遺跡は、個人や政府の管理する土地にあり、先住民のアクセスを制限しているという。例外はハワイ島のケアウホウ・ホルアで、かつては1.6km以上の長さがあったと考えられている。ストーン氏によると、この滑走路の建設には2500人が6年近く建設に携わったという。

 ストーン氏は、山から海へ丸太を運ぶ必要性から、ヘエホールアという儀式が発展してきたと考えている。古代ハワイの信仰では、火山の女神ペレと海の女神ナマカオカハイは、ペレが土地を広げようとするため、絶えず戦いを続けているとされています。「古代ハワイの人々は、ソリで海に入って波を押し返すことで、ペレに敬意を表していた」ということだ。

 スポーツというにはあまりに危険だが、失われた先住民の文化を復元することで植民化される以前のハワイの姿も垣間見られるようになるだろう。ストーン氏のたゆまぬ努力に賛辞を贈りたい。

参考:「Ancient Origins」ほか

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文=S・マスカラス(TOCANA編集部)

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