UFO公聴会「宇宙人パイロット回収」は“証拠不十分” 天文学者が疑問呈す

先月開催された「UFO(※1)公聴会」で衝撃的な発言をした退役軍人のデイヴィッド・チャールズ・グルシュ氏。その発言内容は「政府が極秘のUFO墜落回収プログラムを持っており、人間以外の起源を持つ機体や、場合によっては宇宙人のパイロットを回収した」という驚きのものだった。
グルシュ氏には国家地理空間情報局(NGI)の未確認飛行現象(UAP)分析の上級技術顧問、および国家偵察局の上級士官を務めていた経歴があるため、その証言には一定の信憑性があると思われたこと、また彼に同調して証言する元軍人らが出てきたこともあり、彼の内部告発はアメリカ議会をも動かす結果となった。
しかし、グルシュ氏によるUFO関連の内部告発に、誰もが感銘を受けたわけではない。
20年以上SETI(地球外生命探査)研究所の上級天文学者を務めているセス・ショスタック氏は最近、米ニュース局「MSNBC」に寄稿したテキストの中で、「宇宙人に関する話題には精通しているが、裏付けとなる証拠が明らかに不足している」として、グルシュ氏の主張を批判している。
グルシュ氏はUFOを見た、あるいはUFOに傷つけられたと主張する何十人もの目撃者と面談し、アメリカ政府がリバース・エンジニアリング(※2)の目的で地球外由来の物体を 何十年にもわたって回収してきたと主張している。「しかし、その証拠はどこにあるのか?」とショスタック氏は当然の疑問を呈する。
「グルシュ氏も、政府の秘密UAPプログラムについて知っていると主張する他の誰も、『宇宙人の技術』を示す説得力のある写真等の物証を公にすることができなかった。もしこのような物体の証拠があるのなら、それを研究しようとする科学者は後を絶たないだろうし、権力者は喜んでそれを研究用に提供するだろう 。地球外テクノロジーをエリア51の格納庫に隠すことに何の意味があるのだろうか? 存在が判明した時点で、科学界を締め出すことに何の意味があるのか」と彼は主張している。
グルシュ氏の内部告発について、科学者から反論があったのはこれが初めて。こういった反論にグルシュ氏はどう対応していくのか、気になるところだ。
(※1) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。
(※2) リバースエンジニアリング(反転工学)は、製品の構造を分析し、製造方法や動作原理を調査する手法。
参考:「MSNBC」
【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
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