「日ユ同化論」「源義経=チンギス・ハン説」東北大学名誉教授・田中英道が明かす世界史の真実!(トカナ独占インタビュー)

 ネットメディア初登場! 『日本とユダヤの古代史&世界史』がベストセラーとなっている東北大学名誉教授・田中英道氏に、日ユ同祖論と異なる「日ユ同化論」について解説してもらうとともに、新刊の『やはり義経はチンギス・ハーンだった』についても、話を聞いた。

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『日本とユダヤの古代史&世界史 – 縄文・神話から続く日本建国の真実』( ワニブックス)

――茂木誠氏との共著『日本とユダヤの古代史&世界史』(ワニブックス)がよく売れていますね。

田中英道氏(以下、田中):対談なので読みやすいことと、茂木さんがわかりやすくその判断力を駆使してくれたことも大きいと思います。私は古代から5つの波に分けて日本にユダヤ人がやってきて、日本の政治や文化の面で大きな影響を与えたと主張していますが、この本でその点をわかりやすく伝えられたと思っています。

 古代日本にやってきたユダヤ人たちは日本の神道の儀礼やお祭り、古墳や神社仏閣などの形成におおいに関わりました。聖書や古事記・日本書紀をよく読むと、日本にやってきたユダヤ人のことも述べられています。

 それに、耳元には美豆良(みずら)と呼ばれる鬢(びん)が垂れ下がり、あごひげを生やした「ユダヤ人埴輪」(武人埴輪)が全国で出土しています。また「書く」「住む」「取る」「泣く」「憎む」「測る」「困る」など基本的な言葉がヘブライ語と共通しています。それらの点を考えても、古代日本にユダヤ人たちがやってきて、活躍していたことは間違いないでしょう。

 日本には古来、西域から多くの人々が渡ってきました。奈良の東大寺・正倉院に収蔵された品々は、中国・朝鮮のものより西域のものの方がはるかに多いのです。

 こうしたことから、縄文時代や弥生時代は中国・朝鮮といった近い地域の人々よりも、明確な太陽信仰を持っていた西域の人々が日本へ渡ってくることの方が多かったと考えるべきでしょう。

――日ユ同祖論とは違う「日ユ同化論」を唱えていらっしゃいますね。解説していただいてもいいでしょうか。

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田中英道氏(提供:野口富士見)

田中:日ユ同祖論では日本人とユダヤ人は先祖を同じくするとし、行方がわからなくなっているイスラエル十支族の一つが日本人のルーツであると主張されますが、私はそうは考えません。

 日本人のルーツがイスラエル十支族の一つだったのではなく、ユダヤ人の一部が日本列島に達し、もともとあった縄文時代からの日本の文化を受け入れて同化したと考えています。私はそうしたユダヤ人たちを「同化ユダヤ人」と呼んでいるわけです。

 日ユ同祖論を述べている方々はキリスト教の宗教関係者が多いため、日本人がユダヤ教徒だったかのような言い方をされるので誤解を生んでいる点も注意が必要でしょう。

――新刊の『やはり義経はチンギス・ハーンだった』では源義経が平泉で死なず、北海道を経て大陸に渡ったという説について検証していますね。

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『やはり義経はチンギス・ハーンだった』(文芸社)

田中:大正時代の末から昭和にかけて小谷部全一郎著の『成吉思汗ハ源義経也』という本がベストセラーになったのですが、なぜか戦後はまったく無視されるようになってしまいました。今回改めてこの本の内容を検証するとともに、イタリア・ルネサンスに影響を与えたモンゴル人の研究を基礎にして、私が唱えているフォルモロジー(形象学)も取り入れながら、「義経=チンギス・ハーン説」を詳しく検討し直してみました。

 義経とチンギス・ハーンの肖像画を並べてみると、実は似ている点がいくつもあること、義経の首実検が43日後に行われたのはあまりにも不自然だという点、東北から北海道には義経一行が立ち寄ったことを思わせる神社仏閣や地名などが多く残っている点などを挙げるとともに、成吉思汗という名前は静御前への愛にあふれる返歌だったという、ある意味決定的となる説などを紹介しています。

 学界では「義経=チンギス・ハーン説」を偽史扱いし、荒唐無稽な話として葬っていますが、私のように学界をよく知っている者は、彼らには意外に狭い見識しかないことを見抜いています。その狭小な見解とはある種のイデオロギーです。それゆえ、この本を読んでから判断してほしいですね。

 源義経が実はチンギス・ハーンとなって、ユーラシア大陸で活躍していたとしたら、世界史をくつがえす大事件です。

 義経がチンギス・ハーンとなって、大陸を支配できたのは、義経が日本人だったことも大きいでしょう。彼は兄の頼朝と同じように、日本の政治を知っていました。頼朝は義経の才能を知って、大陸に行くことを許していたのです。

 今回の本では義経とチンギス・ハーンの戦い方や性格の類似点なども挙げています。この本をきっかけにして、皆さんの議論が起こってくれればうれしいですね。

聞き手=野口富士見

【イベント情報】
『やはり義経はチンギス・ハーンだった』(田中英道著)は文芸社から発売中。また、10月7日に本書の出版を記念するイベントが開かれます。
『やはり義経はチンギス・ハーンだった』著者・田中英道先生講演会+「源義経=チンギス・ハーン」説を論じ合うシンポジウム
○2023年10月7日(土)13:10開場 13:30開始
○会場 全国町村会館(永田町)
○参加費 3000円
https://www.kokuchpro.com/event/yoshitsune/

田中 英道(たなか・ひでみち)
1942年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、美術史学科卒。ストラスブール大学に留学しドクトラ(博士号)取得。文学博士。東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本国史学会の代表を務める。
著書に『日本美術全史』(講談社)、『日本の歴史 本当は何がすごいのか』『日本の文化 本当は何がすごいのか』『世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』『世界文化遺産から読み解く世界史』『日本の宗教 本当は何がすごいのか』『日本史5つの法則』『日本の戦争 何が真実なのか』『聖徳太子 本当は何がすごいのか』『日本国史 上・下』『日本が世界で輝く時代』『ユダヤ人埴輪があった!』『左翼グローバリズムとの対決』『新 日本古代史』『決定版 神武天皇の真実』『聖徳太子は暗殺された ユダヤ系蘇我氏の挫折』(以上、扶桑社)、『日本国史の源流』『京都はユダヤ人秦氏がつくった』『日本と中国 外交史の真実』(以上、育鵬社)、『日本神話と同化ユダヤ人』『「国譲り神話」の真実』『荒ぶる神、スサノオ』(以上、勉誠出版)、『虚構の戦後レジーム』(啓文社書房)、『日本にやって来たユダヤ人の古代史』(文芸社)などがある。

文=野口富士見

野口富士見(のぐち・ふじみ)ライター

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