燃えながら「高温の金属片」を投下して墜落…「ケックスバーグUFO事件」58年以上経った今も残る謎

 1965年12月9日、アメリカの6つの州とカナダの一部で多くの住民が謎の火球を目撃した。この物体は燃えながら「高温の金属片」を投下して空を横切っていき、最終的にペンシルベニア州のケックスバーグという小さな町の森に墜落した。

 最初に報告したのは地元の少年。彼は「近くの森に光る物体が降りてくるのを見た」と母親に報告、母親も木々の間から奇妙な青い煙が立ち昇るのを見て当局に報告した。その頃には町でも騒ぎになっており、消防署員を含む数人の地元住民が現場調査に出かけたところ、そこには小型車ほどの大きさの奇妙なドングリ状の物体が転がっていた。その表面には奇妙な文字が書かれていたという。その後、米軍の部隊が現地に到着、問題の物体をトラックに積んで持ち去った。軍が作業をしている間、軍関係者が民間人を現場から遠ざけるよう命令したという。

 この事件は後に流星の衝突に過ぎないとの公式発表がなされたものの、多くの人々ーーー特に現地のケックスバーグの人々は、軍がもっと重大な何かを隠蔽するためにこのような発表を行ったのだと考えていたそうだ

 事件から40年経った2005年、NASAは現場から回収された破片を分析した結果、ソ連の人工衛星の部品であることが判明したと主張したが、当時のNASAがこの発見に関して出した公式記録は1980年代に失われていた。この失われた記録について、ジャーナリストのレスリー・キーン氏は、情報公開法に基づいてNASAを訴え、最終的にNASAは公式記録の捜索を命じられたものの、結局公式記録の所在は判明しなかった。隠蔽工作の一環として文書が隠されたか破棄されたという説もあれば、ファイルを所有していたのはNASAではなくアメリカ空軍である可能性が高いという説もある。

 いずれにせよ、ケックスバーグ事件についての決定的な説明はいまだになされていない。当時、軍や政府の間でこのUFO事件がどのような扱いになっていたのか。どんな情報が隠されていたのか。事件から58年が経った今でもケックスバーグのUFO事件には謎が多く残されているのだ。

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文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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