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「私は消える」「全てが新たに動き出す」謎のメッセージとともに失踪した債務者! 不動産執行人が遭遇した”忘れられない不思議”とは?【事故物件】

※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。
――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!
「その後どうなったんですか?」
「結局その原因や正体は、なんだったんですか?」
納得がいく結論、単純明快な回答を求められることは非常に多いのだが、残念なことに我々はその答えを持ってもいなければ、求めたことすらない。
「不思議」のその後を追うこともなければ、「不思議」の原因を探ることもなく、ただただ「そうなのか。不思議だな」と受け流してしまう。
良くも悪くも我々は日々発生する「不思議」に、“仕事”として向き合っているのだ。
実務的にも一つ一つの不思議や不可解に立ち止まっていては業務が滞るため、出会ってきた不思議たちも次々と脳裏の辺境へと追いやられ、やがては二束三文の情報で上書きされてしまう。
それくらいの“無神経さ”がなければ勤まらない仕事なのだが……それでも稀に「忘れられない不思議」と出会うこともある――。
昨今、地銀のローン審査不足という問題もあり、新築購入からわずか数年で破産という築浅競売物件が頻繁に出ている。この日の物件も新築購入から約4年というまだまだ“新築の匂い”が残る戸建てだった。
間口が2メートルしかないフラッグ形状地(旗竿地)だが、敷地面積は広く、隣家が迫りくる配置でもないため開放感がある。
一方、建物の真新しさとは反対に半年以上は放置されているであろう庭は荒れ放題。もちろん債務者とは当初より音信不通だ。

そんなわけで今回も執行人の面々は鍵師さんの強制解錠をジッと見守った。
「開きました」
数人が至近距離から見守るというプレッシャーも、この言葉と共に鍵師の“誇り”へと変化するようだ。
鮮やかな手口で5分もかからず解錠された扉を鍵師さんが執事のように開き、我々は誘われるかのように玄関へ足を踏み入れた。
案の定、室内は新築同然で、債務者の残置物も少ない。
鍵師さんの鮮やかな仕事同様、執行人たちも数分のうちに自分たちの仕事をこなし、この日の物件は軽いクリーニングと残置物の撤去だけで新生活が可能という判断になった。
通常であれば、このまま執行人らは再び施錠し、物件を去るのだが、どうも気になる点があった。
真意の汲み取れない3枚のメッセージとそれに添えられたテレホンカードが目立つ位置に残されていたのだ――。
「私は消える」
心房細動
心臓上部の細房が細かく震える不整脈
夜中に息苦しくなる
合図で私は消える
無い悲しみ
場所は伝えてある
(会長)本物
私が消えていたら
(会長)本物に連絡して欲しい
全てが新たに動き出す
心臓は再び動き出す
テレホンカードは添えられているものの、電話番号や連絡先を記したものは見当たらず、“会長”とされる人物を示すような団体名の記載もない。
「これ……自動的に電話がかかるヤツですかね?」
「たぶんそうだと思いますよ」
このテレホンカードが、磁気記録された番号へと自動的に電話を繋げる「オートダイヤルカード」である可能性を誰かが口にし、誰かがそれに相槌を打った。

「かけてみますか?」
「いや……」
しばし沈黙が流れた。
そこにいる全員が「これを使うことで何が“新たに動き出す”のか」気にはなっていたのだが、「私は消える」という一連のメモ書き、テレホンカードといった類は元の位置へと戻され、そのまま競売に向けた手続は進められることとなった――。
競売落札者が我々と同じように仕事として「不思議」と向き合うブローカーであった場合、仮にこのメモ書きに気がついたとしても、すぐさまゴミ袋へとノールックシュートを決めてしまうことだろう。
これに対し競売落札者が我々のような価値観ではなく「不思議」に対して“興味”を持って向き合うことのできる人物だった場合はどうだろう。
あのテレホンカードが使われることになるのだろうか。
あのテレホンカードが落札者を「(会長)本物」へと繋げた時、債務者の行方が掴め、“全てが新たに動き出す”ことになるのだろうか……。
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2024.10.02 20:00心霊「私は消える」「全てが新たに動き出す」謎のメッセージとともに失踪した債務者! 不動産執行人が遭遇した”忘れられない不思議”とは?【事故物件】のページです。不動産執行、暗黒物件、事故物件などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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