昭和の怪物俳優「勝新太郎」伝説!豪快エピソードの数々がヤバすぎる

画像は「Wikipedia」より

 昭和の怪物俳優とまで呼ばれた勝新太郎といえば、盲目の剣客を演じた『座頭市』シリーズのヒットにより国内外に多くのファンを生んだ。役者として高い意識を持った強面である一方、茶目っ気のある人物としても知られていた。

 特に芸能記者たちとのやり取りは「勝新劇場」などと呼ばれ常に話題となっていた。1990年1月16日、ハワイのホノルル空港で、コカイン・大麻を所持していたことで逮捕された際は彼のパンツの中からそれらが発見されており、逮捕後の記者会見では、「同じような事件を起こさないため、もうパンツははかない」という宣言をしたことは有名である。また、1996年7月に下咽頭ガンを患った際の記者会見では、愛煙家であったもののガンの治療のために「タバコをやめた」と言いながらタバコを吸い始めたことは、今でも伝説となっている。

 茶目っ気がありながらも、勝新太郎という自身の役者たる矜持が垣間見えるエピソードもある。タレントの小堺一機が、かつて勝が主宰していた役者養成セミナー「勝アカデミー」に所属していた時のこと。アカデミー生たちを連れた高級料亭にて最高級の牛肉が運ばれ、勝がそれを一口食べた途端にそれを吐き出し、「いつからこんなモノを出すようになったんだ!」と仲居に怒鳴ったのだという。

 仲居が「少々お待ちを」と慌てて去って行くと、勝は小堺たちを見て、「人間は本当に驚いたとき、あんな顔をするんだ。よく覚えときな」と笑いながら言ったという。その後、仲居から報告を受けた板長が駆け付け土下座をして謝ると、勝は「いいんだ、いいんだ」と高笑いして、板長に分厚いご祝儀を渡したというのだ。

『キネマ旬報』1964年2月決算特別号 「Wikipedia」より

 勝は、その豪遊ぶりも多く語られている。飲みに行けば、ほぼ必ずその代金は勝新太郎の奢りとなり、2軒目に行くとなった際はそのお店の人も一緒に次の店に移動し、それを繰り返した末に100人もの取り巻きができる酒席になったという。1年間の飲み代は1億円を超えたとも言われている。

 ある時、俳優の高橋英樹がドラマ撮影の打ち上げでスタッフたちと共に高級店で飲んでいた時のこと、その店内で偶然勝と鉢合わせた。「今日はどうしたの?」という勝の問いかけに「スタッフと打ち上げです」と答えた高橋であるが、勝はなんと「じゃあ今日の支払いは俺にツケておいてくれ」と言い放ったのだ。一緒に飲みに来たわけでもないのに、およそ30人もの打ち上げの支払いを自分がするという宣言に高橋は驚いたが、「いいんだよ、会っちゃったんだから」と勝は笑いながら答えたという。

 まだ無名であった頃のMr.マリックのショーを観た勝がその技に感動し、その場で50万円をチップとして渡したという逸話も残っており、その豪快さはまさに桁違いであった。

 しかしながら、こうした繰り返しにより、結果として億単位の借金を抱えることとなってしまったのも事実だ。12億円の負債を抱えた彼の会社「勝プロダクション」も倒産してしまい、彼の死後は、妻であった中村玉緒が返済に奔走した。

 昭和の大俳優は規格外の破天荒ぶりが際立つが、その破天荒ぶりこそ”客”が求めた姿であったといえる。勝新太郎という存在は、常にそれに応えようとした役者であったに違いない。

【参考記事・文献】
昭和の大スター・勝新太郎の豪快伝説。“おごる理由”と一流料亭での“イタズラ”
https://fumufumunews.jp/articles/-/23703?page=2
勝新太郎伝説 豪遊エピソードまとめ
https://sportsnewspickup.com/2020/02/13/katsushin/
勝新太郎の若い頃がかっこいい!伝説が豪快で破天荒&愛人・岩崎峰子との関係
https://asuneta.com/archives/137299
昭和の名優!!勝新太郎伝説
http://www.nicheee.com/archives/1961872.html

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文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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