ブラジル旅客機墜落事故の原因「デス・スパイラル」の恐怖

画像は「X」より

 8月9日、ブラジルで発生した旅客機墜落事故で61名全員が死亡した。事故機は「デス・スパイラル」と呼ばれる致命的な状態に陥ったとされる。この悲劇的な事故の背景にあるデス・スパイラルとは一体どのようなものなのだろうか。

デス・スパイラルとは

「デス・スパイラル」とは、航空機が制御不能に陥り、螺旋状に落下していく極めて危険な状態を指す。米国で40年以上の旅客機操縦経験を持つロス・エイマー機長は、この現象について次のように説明した。

「デス・スパイラルは、通常、機体が失速状態に陥った後に発生する。片方の翼が失速し、機体が傾くと、もう一方の翼が揚力を生み出し続けるため、機体は回転しながら落下していく。エンジンが停止している場合、この状態からの回復は極めて困難だ」

 エイマー機長はさらに、「一度デス・スパイラルに陥ると、脱出はほぼ不可能」と強調した。この説明は、目撃者が説明した事故機の最後の動きと一致している。

事故の詳細と専門家の分析

 ボエパス(Voepass)航空の飛行機は、パラナ州カスカベウからサンパウロ州グアルリョスへ向かう途中、突如として急降下を始めた。撮影された映像には、機体が木々の向こうに落下し、その後大きな黒煙が立ち上る様子が捉えられていた。

 エイマー機長は、墜落の最も可能性の高い原因として、以下の3点を挙げた。

・エンジン故障
・飛行制御系統の不具合
・機体の重要部分(翼など)の脱落

 また、特に注目すべきは低速失速の可能性だ。これは翼上の気流が揚力を生み出すのに十分な速度を保てない状態を指す。エイマー機長は、低速失速が起こる主な理由として以下を挙げている。

・技術的故障
・極端な乱気流
・パイロットのエラー
・鳥などの物体が翼に衝突すること

 航空会社の発表によると事故機のATR-72は高度17,000フィートを巡航中だった。この高度では鳥の衝突は考えにくく、残る可能性は技術的故障か極端な乱気流のみとなる。

イメージ画像 Created with DALL·E

着氷の可能性

 ボエパス航空のマルセル・モウラ最高執行責任者は、着氷の可能性にも言及した。「当日は(飛行高度で)予測された範囲内ではあるが、着氷が予測されていた」と述べ、「この機体は着氷に敏感なため、それが起点になった可能性がある」と付け加えた。

 着氷は航空機にとって深刻な問題となりうる。翼や尾翼に氷が付着すると、空力特性が大きく変化し、失速や制御不能に陥る危険性が高まるのだ。

目撃者の証言

 近隣住民は、大きな音を聞いた後の様子をこう証言している。

「水平に回転していましたが、前に進んでいませんでした。すぐに空から落ちて爆発しました。」

 この証言は、機体がデス・スパイラルに陥っていた可能性を裏付けている。

 ブラジル空軍は調査チームを現場に派遣したが、事故原因の特定にはまだ時間がかかるとしている。この悲惨な事故は航空安全の重要性を改めて浮き彫りにしたのかもしれない。

参考:Daily Mail Online

TOCANA編集部

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