悪霊に命を奪われた “エクソシストの最期” 悪魔祓い直後の写真に写り込んだ謎の人影

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 目覚めた悪霊がエクソシストの命を奪ったのか――。悪魔祓い直後のエクソシストの写真には謎の人影が写り込んでいたのだ。

■墓地訪問者の謎の被害が続く

 17世紀のスコットランドでは政府の国教会側と、長老派教会の盟約派との間で対立が深まり、1679年6月22日に遂に両陣営が相争う「ボスウェル橋の戦い(Battle of Bothwell Bridge)」が起きた。

 戦場となったボスウェル橋はスコットランド・ラナークシャーにあるハミルトンとボスウェルの間を流れるクライド川にかかる橋で、短期間の戦闘で政府軍が盟約派軍を撃破した後、約1200人の盟約派が捕らえられた。

 拘束された捕虜たちの多くが処刑、拷問によって命を落としたといわれている。彼らの遺体は現在のグレイフライアーズ教会墓地となっている共同墓地に葬られた。

 当時の判事、ジョージ・マッケンジー卿(1636-1691)は宗教的非順応主義者に対する残忍な迫害で知られており、捕虜たちへの残虐な処遇を当然のことと考え、拷問と虐待を後押ししていた。当然だが盟約派の残党たちからは深い恨みを買うことになる。

ジョージ・マッケンジー卿 画像は「Wikipedia」より

 ジョージ・マッケンジーは1691年に死去したのだが、同じくのこのグレイフライアーズ教会墓地に埋葬された。

 マッケンジーの埋葬後、この墓地で不吉で危険な現象が起きるようになった。墓参りに訪れた者の顔に説明のつかない引っかき傷やあざができたという話は数え切れないほど報告され、ある女性はこの不気味な施設から吹き出す冷たい「氷のような突風」に吹き飛ばされたと恐怖体験を語った。

 また墓地を訪れた後、家に帰るまで悪魔のような存在につきまとわれ、家が火事になったという話も報告されている。

 1990年代後半にこの施設に入り込んだホームレスの男性が老朽化した床の上を歩いていると、床が崩れて床下に落下する事故が起きたのだが、一説ではこの転落事故によって、悪霊と化したマッケンジーの霊が目を覚ましたのではないかといわれている。

 この話題を自身のポッドキャスト番組で取り上げたバレン氏は、「男が霊廟の床から落ちた時にジョージ・マッケンジーの悪霊が解き放たれ、すべての(訪問者への)加害は彼の霊によるものだという話が町中に広まりはじめた」と語る。

 この一件の後、訪れた者が不可解なダメージを負うケースはさらに増え、ある少女は墓地の中で意識を失って倒れていたところを発見され事なきを得たのだが、少女の首には絞められた跡が残っていたのだった。

■エクソシストによる悪魔祓い

 対策を迫られた地元の市長は、牧師から“エクソシスト”になったコリン・グラントにこの墓地での悪魔祓いを依頼したのだ。

 そして地元の記者とカメラマンが立ち合い、墓地でエクソシストであるコリン・グラントによる悪魔祓いが行われたのだった。

 エクソシストは記者に悪魔祓いの儀式に苦戦していると告白し、マッケンジーの悪霊と対決する試みを断念し、代わりにそこに埋葬されている約200人の盟約派の囚われた霊を解放することに集中すると説明したのだった。

 恨みに満ちた大勢の盟約派の霊によってマッケンジーの悪霊を封殺する試みは功を奏したようだったが、エクソシストは激しく消耗しているのが見てとれた。

 儀式は午前2時頃に最高潮に達し「奇妙な」何かが起こっていることが如実に感じられる中、カメラマンはカメラを構え、結果的に最後の1枚となるエクソシストの写真を撮ったのである。

画像は「YouTube」より

 シャッターを切った直後、エクソシストは地面に倒れ込み、駆けつけた2人に向かって憔悴し切った声で「これで死ぬ、これで死ぬ……」と繰り返したという。

 そして数日後、その言葉通りエクソシストは原因不明の死を遂げた。最後の1枚となった写真には、最後の犠牲者を求めて窓の奥から手を伸ばそうとしている冷酷なマッケンジー判事が写っているようにも見える。

 悪魔祓いの日以降、墓地では物騒な出来事が報告されていないようだが、マッケンジーの悪霊はエクソシストの命と引き換えに封印されたことになるのだろうか。今後もこの墓地の平穏が続くことを願うばかりだ。

参考:「Mirror」、「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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