映画「ヴァチカンのエクソシスト」を本物のエクソシストが観賞した結果…? 悪魔祓いの真実がヤバイ!(前編)

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画像は「Getty Images」より

 ラッセル・クロウ主演で実在したエクソシストを描く映画『ヴァチカンのエクソシスト』は日本でも人気の作品となった。実在する現役エクソシストH氏に宗教・オカルトの専門家が突撃インタビュー!

――現役のエクソシストなんですか?!

H氏:そこまで珍しくはないですよ。ちなみに映画はカトリックの神父さんですが、私はプロテスタント系です。ですからローマ教皇の指示で動いているわけではありません。クリスチャンになった直後から悪魔祓いができました。おそらく、そういう才能があったのでしょうね。

――エクソシストの才能ですか?

H氏:簡単にいうと「降ろし」と「祓い」の才能って分けられるんですよ。私の場合は、祓いの才能があった。事実、高野山で修業した、とある阿闍梨に「Hさん、私の後ろの者が、今すぐ、こいつに俺の名を伝えよ、この男は祓いの才能がある。これを取り込めば、世界中どこでも祓いができる」と言われたことがあります。つまり阿闍梨の後ろ盾となっている存在が、私を認めて謎のスカウトを受けたんです。当初は驚きましたが、いろいろな経験を経て、慣れてきましたね。

――映画と実際の現場に違いはありますか?

H氏:映画は大変よくできていました。もちろんエンターテインメントですから、ケレン味を加えて派手に魅せなくてならない場面もありました。全体としては、エクソシズムの何たるかをよくわかった人たちが丁寧につくった作品だと思いました。

 実際の現場との違いでいえば、悪魔は、気がつけば、すでに心に入ってるんですよね。徐々に人の心を蝕むのも事実です。しかし悪魔が狙いを定めて、誰かに近づくとき、そこに時間は必要ありません。気がつけば、自分の心の最も奥深いところのすべてを見られています。そして声なき声が聞こえてくるんです。「お前は、所詮、この程度の人間だ。罪人が笑わせてくれる。お前にふさわしい場所は天でも地上でもない。地の底だ」と。悪魔は、人が誰にも伝えていない話、自分自身の秘密、恥部のすべてを見て、こちらの嘲笑してきます。本当に恐ろしいですよ。

――秘密がバレるんですか…?

H氏:映画でも描かれていましたが、悪魔憑きの人物が、本来知り得ない情報を話し始めたら、基本的にエクソシストは戦闘モードです。本物の悪魔憑き案件なので。本物か否か。ただのメンタルの病なのか否か。それらは専門家が判断しなくてはなりませんが、映画でも語られているように実際の悪魔憑きは、全体のごく僅かに過ぎません。しかし、そのごく僅かの「本物」が危険です。私の知っているいくつかの事例では、窓ガラスが割れるなど、いわゆるポルターガイストも起これば、実際に人死にが出た事件もありました。

 もちろん具体的に語ることで、皆さんにも影響がありますから曖昧にしか言えませんが。祓い、エクソシズムは冗談でやれるようなことではないですね。できれば一生関わらないほうがよい出来事のひとつです。危険なことを伝えるためにも、いくつか事例をお伝えしましょう。

(後編に続く)

文=神ノ國ヲ

学術論文からオカルト記事まで。
京都大学の博士課程に所属中。
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