時空を超えて届く「ドッドルストンメッセージ」とは!?完全未解決のデジタル心霊現象

画像は「YouTube」より

 16世紀の人物からコンピュータの画面に届けられた謎のメッセージが「ドッドルストンメッセージ」だ。この謎のメッセージは、過去の人物からだけではなく、2109年の未来の人物からも送られてきたという――。

■「ドッドルストンメッセージ」とは

 イギリス南西部のウェールズにある静かな村、ドッドルストンはその趣のある景観にはおよそ似つかわしくない出来事でかつて話題となった。

 1980年代半ばのこと。この地に住む教師ケン・ウェブスター氏が、ヘンリー8世の治世の時代であった16世紀の人物から一連の謎のメッセ―ジを受け取ったのである。その出来事はこの地にちなんで「ドッドルストンメッセージ(Dodelston Messages)」と呼ばれるようになった。

 当時、彼はガールフレンドのデビィ、友人のニックと共にこの地にある古いコテージで共同生活を送っていた。

 パソコンはまだ一般家庭に普及していない時代であったが、仕事柄ケンは勤務先から一時的にコンピュータ(BBC Micro)を借りてこのコテージに持ち込んで作業にあたることがあった。借りてきたコンピュータにはまだネットに繋ぐ装備はなく、記憶媒体に小容量のフロッピーディスクを使用するだけで、ハードディスクすらないモデルであった。ちなみに当時、インターネットは少数の専門家によってのみ運営されていて、ほとんど知られていないマイナーなネットワークであった。

 ネットに繋いでいないはずのコンピュータだったのだが、1984年12月のある日から謎のメッセージが画面に届くようになったのである。

 ケンがコンピュータの電源を入れたまま少し席を外していた間に、画面には古めかしい文体の英語の文章が表示されていたのだ。

「真実は恐れる人の悪夢であり、安泰は沈黙の世界の実体です」

“True are the nightmares of a person that fears, safe are the bodies of the silent world.”

 何かを暗示する詩のようなフレーズで、困惑したものの年末の忙しい時期であったため、ケンはこの謎を考えないようにして仕事を終らせたのだが、その翌年の2月に再び勤務先からこのコンピュータを借りると、またしても謎のメッセージが画面上にあわられたのである。

 メッセージは依然として古めかしい文体であったものの、直接的な表現に変わってきていて、内容がよく理解できるものになってきた。

 一定の間隔で画面に現れるメッセージの内容を読み解いていくと、なんと発信者は16世紀にこのコテージに住んでいたルーカス・ウェインマンという人物であることがわかってきたのだ。そしてケンが画面上にメッセージへの返信を書き込むと、ルーカスはそれに反応して返答を返してくれるようになり、こうして時空を超えたコミュニケーションが実現することになったのだ。

画像は「YouTube」より

■ルーカスの遺稿が見つかる日は近い?

 ヘンリー8世の時代の1521年にこのコテージに住んでいたルーカスとの時空を超えたコミュニケーションが始まった頃から、コテージで超常現象が相次ぐようになった。ある日はキッチンに缶詰の缶が不可解に積み重なっていたり、壁にチョークで殴り書きされたメッセージがあったり、誰のものかわからない足音が聞こえるようになったのだ。

 ある日には、デビィが家に戻った時、コテージの部屋の中に6フィート(約180センチ)の高さに家具が積みあがっていたこともあった。

 ところでルーカスはどのような方法でメッセージを送受信していたのか? それについてケンがそれとなく質問してみると、ルーカスは「Leems Boyste」あるいは「light box」と呼ばれる悪魔が手がけた機器を使っていると答えたのだ。

 実はルーカスは魔術の研究家であり、「One」という名前の人物からこの機器を受け取ったのだという。そして、この機器を使って1985年の未来の人間と交信できることにルーカスのほうもまた驚いているのであった。

 また「ルーカス」は魔術の研究をしていることで当局から狙われていると説明し、本名はトーマス・ハーデンであるということも後に明かしてくれたのだった。

 このようなケンの体験談が「ドッドルストンメッセージ」としてメディアで紹介されるとたちまち反響を呼び、ジャーナリストや心霊現象の専門家がコテージを訪れて調査を行ったりしたものの、謎を解く糸口は今のところ何も見つかっていない。

画像は「YouTube」より

 ある者は、ケンがいない時に示し合わせた同居人がコンピュータにメッセージを書き込んでいたのだと指摘したり、この話全体が壮大なでっちあげであるとの主張もある。

 16カ月続いた「ドッドルストンメッセージ」の最後のメッセージはルーカスからではなかった。2109年の未来に住む人物からのもので、それによればルーカスは1980年代の人物(ケン)とのコミュニケーションを行ったことについての著書を執筆していて、後世にその原稿が必ず見つかるという予告のメッセージであった。

 はたしてルーカス(トーマス・ハーデン)の遺稿が見つかる日は近いのか。そしてそれはどのような内容なのか。起こるかもしれない新たな展開に期待してみたい。

参考:「Daily Star」、ほか

 

※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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