「死の淵で見えるものとは?」心肺停止後の“新たな体験”を語る研究者の証言

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 死後の世界は存在するのか――。数百万の臨死体験を研究した一流の科学者が、死後の世界は確実に存在すると主張している。

■心肺停止後に垣間見える“死後の世界”

 米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの医学准教授で幾多の死を看取ってきた心肺蘇生の専門家、サム・パーニア医師は死後の世界は確実にあると断言する。

 パーニア医師は、心肺停止後に蘇生した患者は、しばしば「人生のすべての瞬間」をもう一度生き直すことになると説明する。

「信じられないことに(患者は)外から見ると意識がなく死んでいるように見えても、内部的には新しい体験をしていることを(臨死体験者は)一貫して報告しています」(パーニア医師)

 イギリスのデジタルラジオ局「Times Radio」の番組に今年9月に出演したパーニア医師は「患者らは(心肺停止後に)自分の意識、自我が突然大きくなり、より明晰で鋭敏になるのを感じます」と解説している。

「医師や看護師が蘇生させようとしている間、彼らは自分に何が起こっているのか情報を収集することができます」(パーニア医師)

 心肺停止後の患者は周囲をほぼ360度の視界で見ており、自分の視点だけでなく他の人の視点からも、他者との交流を含め、人生のあらゆる瞬間を“生き直す”というのだ。

「たとえば、誰かを傷つけるようなことをした場合、彼らはその人が経験したのとまったく同じ痛みを再び経験します。他の人に幸福をもたらすようなことをした場合、彼らは同じ幸福を再び経験します」(パーニア医師)

 死の瞬間には“走馬灯”のように人生のすべてがフラッシュバックするという話もあるが、まさにそのようなことが心肺停止後の人間に起きているとすればきわめて興味深い。

「まるで人生で記録されたすべてが氷山のように突然浮かび上がり、道徳と倫理のプリズムに基づいて人生全体を評価しているような格好です」(パーニア医師)

 パーニア医師の言説の背後には科学的な裏づけがあり、過去の研究では、心臓が停止した後も人間の脳は短期間機能し続けることが示されている。脳は酸素なしでも最大1時間まで活発に活動できるという。したがって死亡宣告のルールを変えなければならない可能性もあるということだ。

 パーニア医師は臨床的な死から生還しない人が多いことを指摘するが、生還した人は人生がどんなものであるかを細部に至るまで新たに理解し、前向きに変化していると述べている。

 臨死体験で死後の世界を垣間見た人々は人生の意味を知るということなのだろうか。実に興味深いパーニア医師の研究が今後さらに進展することを期待したい。

参考:「LADBible」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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