3つ子の人生を狂わせた非人道的社会実験! 生後すぐに引き離された兄弟の運命がトンでもないことに…
かつて、アメリカで子供の人生を狂わす極めて非人道的な心理学実験が行われていたことをご存知だろうか? 2018年、英紙『The Independent』が報じている。
■三つ子の人生を狂わせた心理学実験
自分の知らない兄弟が2人もいると知ったら、あなたならどうするだろうか? ロバート・ロバート、エディー・ギャランド、デイヴィッド・ケルマンの3人は、生まれてから約19年間にわたり、互いの存在を意図的に知らされずに生きてきた。
1961年に3人は三つ子として生まれ、すぐにLouise Wise Agencyを通して、3組の異なる家庭に養子に出された。そして、彼らの人生は、”合法的に”米マンハッタンの幼児発育センターの精神科医のピーター・ノイバウアー医師によってモニターされることになる。研究の目的は、双子(三つ子)を異なる環境で独立して育てることで、子どもの成長に遺伝子と環境どちらが優位に働いているか見るためだったという。
■偶然の再会
この実験は三つ子を受け入れたそれぞれの家庭にも知らされていなかったが、偶然にも3人は互いが三つ子であることを発見する。
1980年、ロバートがニューヨーク州のサリバン郡立大学に入学すると奇妙なことが起こった。登校初日で知人などいるはずもないのに、男子学生は親しげにロバートの背中を叩き、女子学生は抱擁とキスを求めてきたという。もちろん、ロバートはこれらの人物を誰一人として知らない。
この異常に唯一気付いたのは、マイケル・ドミッツという学生だった。実はドミッツはロバートの三つ子の兄弟であるエディーの親友だったのだ。この時、エディーは大学から離れており、復学する予定もなかったため、ドミッツは事の異常さに気付いたという。ロバートに親しげに接した学生らは、エディーが復学したと勘違いしていたのだ。ドキュメンタリー映画『Three Identical Strangers』で、ドミッツ本人がこの時の驚きを語っている。
「この男(ロバート)が振り返った瞬間、本当に震え上がるほど驚きましたよ。それがエディーではなく、彼の双子の兄弟だと直感したので、まさに青ざめました」(ドミッツ)
ドミッツはすぐにロバートに、「養子であるか」、「誕生年月日は1961年7月12日であるか」を確認し、ロバートがそれを認めると、おそらく彼には双子の兄弟(エディー)がいると伝えたそうだ。
■自ら命を絶ったエディー
ロバートとエディーの数奇な再会は世間の注目を集めた。そして、これが3人目の兄弟の発見につながることになる。2人が並んで写っている写真を新聞で見たデイヴィッドが名乗り出てきたのだ。すると、3人はさらに注目を浴びるようになり、米有名歌手マドンナの1985年の映画『Desperately Seeking Susan』にカメオ出演するまでになった。
人気絶頂の3人だが、ここで暗い展開を迎える。3人がなぜ別れて育ったのか調べるうちに、自分たちが非道徳的な実験の犠牲者だと分かったからだ。このことがきっかけかは分からないが、エディーは33歳で自ら命を絶った。現在、残された2人はLouise Wise Agency(現・The Jewish Board)に謝罪と賠償、研究データの公表を求めている。
ノイバウアー医師の実験に利用された他の子どもたちは今も自分の兄弟姉妹の存在を知らない可能性があるという。また、ロバート・エディー・デイヴィッドの3人は結果的に再会することができたものの、本来ならば3人一緒に過ごすはずだった貴重な19年間を犠牲にされたことは間違いない。正直それほど重要とも思えない実験のために(たとえ合法であったとしても)、人々の人生を狂わせた罪は重い。
参考:「The Independent」、ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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2024.10.02 20:00心霊3つ子の人生を狂わせた非人道的社会実験! 生後すぐに引き離された兄弟の運命がトンでもないことに…のページです。心理学、養子、三つ子、社会実験などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで