1000年後、人類の姿はどう変わるのか? 科学者が予測する未来の人間像

画像は「Daily Mail Online」より

 人類の進化はすでに終わったのだろうか。過去の霊長類の祖先と比べると、私たちは大きく進化を遂げたように見える。しかし、多くの科学者は「現在の人間の姿は進化の最終段階ではなく、むしろ始まりに過ぎない」と考えているという。

 技術の進歩、気候変動、宇宙開発など、世界はこれまで以上に速いペースで変化している。そして、これらの変化に伴い人間の姿も変わる可能性が高いという。人工知能(AI)による画像解析をもとに、科学者たちは1000年後の人類がどのような姿になるのかを予測している。

①人類はより小柄になる?

 過去の進化では、寿命が短く、子孫を残す前に死ぬことが淘汰の要因となっていた。しかし、現代では医療の進歩により、多くの人が長生きし、子供を持つことができる。そのため、進化の要因が変わりつつある。

 進化遺伝学者のマーク・トーマス教授(ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ)によると、「進化は単に生存率だけでなく、どれだけの子供を産むかによっても影響を受ける」という。つまり、子供を多く持つ遺伝子が次世代に引き継がれる傾向があるのだ。

 ある仮説では、早熟な人ほど小柄になる傾向があるとされる。これは、早く成熟した個体がより多くの子孫を残せるため、成長を抑えたほうが進化上有利になるからだ。ピグミー族のような短身の集団は、厳しい環境で生き抜くために早熟と低身長の遺伝子を持つ傾向があり、同じ進化が未来の人類にも起こる可能性がある。

画像は「Daily Mail Online」より

②より魅力的な外見に変化

 進化の主な要因が「どれだけ生存できるか」から「どれだけ子供を持てるか」に移ることで、外見の変化も予測されている。特に、より魅力的な特徴が選択される可能性がある。

 トーマス教授は「進化の基本は、哺乳類では通常メスがオスを選ぶ。しかし、多くの社会では男性が配偶者選びを主導してきた。しかし、社会がリベラル化し、女性がより自由にパートナーを選ぶようになると、男性の外見に対する選択圧が強まる」と述べる。

 つまり、より魅力的な男性が子孫を多く残すことで、次第に人類全体が容姿端麗になる可能性がある。筋肉質な体型や整った顔立ち、知的な印象を与える外見などが進化の要素となるかもしれない。

③肌の色は均一化し、より暗くなる

 科学者たちは、人類の外見がより均一化し、多くの人がブラジルやモーリシャスのような「文化のるつぼ」に見られる中間的な特徴を持つようになると予測している。

 歴史上、多くの人類集団は地理的に孤立し、特定の遺伝的特徴が固定化される傾向があった。しかし、近年では異人種間の結婚が増え、多様な遺伝子が混ざり合っている。特にアメリカではこの傾向が顕著であり、今後もこの流れが続けば、将来的に人類の肌の色や外見がより均質化する可能性がある。

 アンギリア・ラスキン大学のジェイソン・ホッジソン博士は、「人口の遺伝的構造が崩れ、全体的により中間的な特徴が増える」と述べている。具体的には、肌の色が「やや褐色」に近づき、個人レベルでは多様性が増す一方、集団レベルでは外見のばらつきが減少する可能性がある。

画像は「Daily Mail Online」より

④テクノロジーによる進化の加速

 未来の人類は、自然な進化だけでなく、技術による遺伝子改変の影響も受ける可能性がある。遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」などを用いることで、人為的に遺伝子を操作し、新たな特徴を生み出すことが可能になるかもしれない。

 例えば、紫外線に強い肌を持つように遺伝子を調整することで、皮膚ガンのリスクを減らすといった改変が考えられる。また、すでに「デザイナーベビー」サービスを提供する企業も登場しており、将来的には身長や知能、性別などを選択できる時代が来る可能性がある。

 ウィスコンシン大学のジョン・ホークス教授は「文化やテクノロジーの影響は、遺伝子よりも人間の見た目を大きく変える可能性がある」と指摘している。例えば、カラーチェンジが可能なタトゥーや、テクノロジーと融合した身体改造など、新たな美的トレンドが登場するかもしれない。

⑤人間の脳は小さくなる?

 進化生物学者のロバート・ブルックス教授(ニューサウスウェールズ大学)は「未来の人間の脳は小型化する可能性がある」と述べる。これは、AIやコンピューターが計算や記憶といった知的作業を肩代わりすることで、人間の脳がそれほど大きくなくても十分に機能するようになるためだ。

 実際に、羊や犬などの家畜化された動物は、野生種と比較して約25〜30%も脳が縮小している。これは、人間も「自己家畜化」している可能性を示唆している。つまり、私たちは知能の高さよりも、社会性や協調性を重視した進化を遂げるかもしれないのだ。

画像は「Daily Mail Online」より

⑥宇宙空間に適応する人類

 もし未来の人類が宇宙へ移住することになれば、環境に適応するために大きく進化する可能性がある。例えば、低重力環境では人間はより背が高くなり、腕が長くなると考えられている。

 NASAによると、宇宙飛行士は無重力状態に入ると数日で身長が3%伸びるという。仮に火星に移住した場合、地球よりも日光の量が少ないため、より大きな目を持ち、光を最大限に活用できるように進化する可能性もある。

 1000年後の人類は、より小柄で、より魅力的になり、肌の色は均一化するかもしれない。また、遺伝子編集技術による改変が進み、脳のサイズが小さくなったり、宇宙環境に適応した進化を遂げる可能性もある。

 しかし、技術と環境の変化によって、私たちがどのように進化するのかは、まだ誰にもわからない。もしかすると人間がグレイ型エイリアンのような外見に進化する可能性も残されているのかもしれない。

 ちなみに編集部でもChatGPTとQWENCHATにそれぞれ1000年後の人類の姿を予想して描いてみてもらった。

ChatGPTが考える1000年後の人類の姿

QWENCHATが考える1000年後の人類の姿

 どちらも人類がテクノロジーと融合した姿を描いている。1000年後、純粋な人類は存在しないのだろうか。

参考:Daily Mail Online、ほか

関連キーワード:, ,
TOCANA編集部

TOCANA/トカナ|UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

1000年後、人類の姿はどう変わるのか? 科学者が予測する未来の人間像のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング11:35更新