【禁断の真実】5000人の住民が“血”で繋がる町… 近親婚の果てに待つ遺伝性疾患の悲劇

小さな町の5000人の住民は実は全員が従兄弟同士だった――。町には遺伝性疾患が蔓延し壊滅的状況にあるという。
■住民が親戚同士の町に蔓延する神経変性疾患
遺伝子変異によって引き起こされ、神経系を侵し、慢性的に身体を衰弱させるといわれる「SPOAN症候群(spoan syndrome)」はきわめてまれな神経変性疾患であるが、近親婚によってそのリスクが高まるという。
ブラジル・リオグランデ・ド・ノルテ州にある小さな町、セヒーニャ・ドス・ピントスではこのSPOAN症候群が蔓延しており、その原因は住民たちの間で近親婚が繰り返されていることにある。
人口5000人のこの町では多くの住民が二親等間、特に従兄弟と関係を持っており、人口動態の変化率はほぼゼロである。その結果、遺伝子変異が世代を超えて伝わるリスクが急上昇している。
「私たちはみんな従兄弟同士です。みんな親戚なんです」と、ある町の住民はこの町の衝撃的な実態を明らかにしている。
科学者で大学教授のシルバーナ・サントス氏は、患者の多くが血縁関係のある夫婦の子どもや孫であったことから、町の住民が深刻な危機に陥っていると説明する。
サントス氏は、この突然変異は500年以上前にブラジルに最初に到着したヨーロッパ人入植者によってもたらされたと述べ、これらの人々はおそらくセファルディ系ユダヤ人かスペイン異端審問から逃れてきた北アフリカの住民だったのではないかと推測している。
かつてサントス氏が休暇でセリーニャ・ドス・ピントスを訪れた際、地元の人たちと話をするにつれ、従兄弟同士の結婚がいかに一般的であるかに驚かされた。
セリーニャ・ドス・ピントスは地理的に孤立しており、移住者も少ないことから、住民の多くは血縁関係にあり、従兄弟同士の結婚は普通のことと考えられているという。

住民らは町の多くの人々が歩けない状態にあるが、その理由は誰も知らないのだと訴え、サントス氏と研究チームは町の人々の実態を数年にわたって調査した結果、住民たちの歩行困難はSPOAN症候群の症状であると特定した。遺伝的多様性の欠如と近親婚の多さが、この町で遺伝性疾患の蔓延を招いていたのだ。
サントス氏が主導した2010年の調査によれば、セリーニャ・ドス・ピントスのカップルの30%以上が血縁関係にあり、その3分の1には少なくとも1人の障害児がいることが報告されている。
セリーニャ・ドス・ピントス出身のイネスさんは、又従兄弟との間に2人の子供をもうけており、近親婚によって生まれた子供たちの苦難を明かしている。

59歳の長男、クリキーニョさんは自分の考えを表現するのに深刻な問題を抱えており、46歳の末っ子、マルキーニョさんも、同じ障害のためにコミュニケーションがきわめて限られている。
「特別な子どもを持つのはつらいことです。私たちは変わらず彼らを愛しているのですが、彼らのために苦しむのです」とイネスさんは、障害を持つ子どもを育てる苦労を語る。
近親婚が繰り返される閉鎖的なコミュニティの住民の健康問題は世界各地から報告されているが、当の住民たちがそのリスクに気づいていないことが事態をさらに深刻にしているといえるだろう。ひょっとすると世界には知られていない近親婚コミュニティがまだまだあるのかもしれない。近親婚のリスクの周知が求められていることはいうまでもない。
参考:「Daily Star」、「BBC」ほか
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