悪用厳禁!?あなたの“要求”が言葉なしで伝わる、科学的に証明された最強のアイコンタクト術

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 私語が厳禁の場所や状況、逆に騒がしくて相手の声が聞こえない場合などでの意思疎通にはアイコンタクトが有効だが、相手に何かをしてもらいたい時に効果抜群のアイコンタクト法が科学的に判明している――。

■“要求”を効果的に伝えるアイコンタクト法とは?

 仕草や視線なども伴った“物欲しげな顔”に心を動かされることがあるかもしれないが(!?)、親しい間柄でなければ妙な誤解を生みかねない。

 そこで新たな研究からは、相手に何かをしてもらいたい時に、言葉を発することなく要求を伝える最も効果的なアイコンタクトの方法を特定したことが報告されている。

 豪・南オーストラリア州アデレードのフリンダース大学の研究チームが今年7月に「Royal Society Open Science」で発表した研究では、他者を理解し反応する際にアイコンタクトが果たす役割が実験を通じて検証されている。

 研究チームは、自分が何を望んでいるかを示す最良の方法は、物体を見て、相手と目を合わせ、そして再び同じ物体を見返すことであること突き止めた。このアイコンタクトを受けた者は、その視線を“助けを求める声”として解釈する可能性が著しく高まったのである。

「私たちは、誰かがあなたをどのくらい頻繁に見ているか、あるいは一連の目の動きの中で最後にあなたを見ているかどうかだけではなく、その行動がコミュニケーション的で関連性があるように見えるのは目の動きの“文脈”によるということを発見しました」と、論文主筆のネイサン・カルアナ博士は説明する。

 137人の実験参加者は、仮想パートナーと一緒にブロックを構築する課題を行ったのだが、その際、参加者は相手が視線を向けた3つのオブジェクトのうちの1つを、“検査”しているのか、“要求”しているのかを判断することが求められた。

「被験者は、同じ対象物に視線を向けて視線が逸らされた瞬間のアイコンタクトで、“要求”を最も早く認識する可能性が高かった」(研究論文より)

 つまりこのアイコンタクトを受けた者は、見つめた物体を渡すよう促されていると理解するのである。

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Image by PublicDomainPictures from Pixabay

 研究チームは、この研究結果は、非言語コミュニケーションに依存する社会的な状況、たとえば競技スポーツ、軍事作戦中、あるいは騒がしい環境などで、他者と効果的にコミュニケーションをとる際に有効活用できる可能性があると示唆している。興味深いのは相手がロボットだとしても、このアイコンタクトで人間は同じように反応したという。

 また聴覚障害者や自閉症の人など、視覚的な手がかりに大きく依存している人々のサポートにも役立つ可能性があるということだ。

 この研究を紹介した英紙「Daily Mail」の記事では、アイコンタクトのパワーは観光地のトンビやカモメにも及ぶことにも言及している。海辺の観光地で食べ歩き用に買って手にしていた食べ物をトンビに奪われる被害は珍しくないが、英エクセター大学の行動生態学研究員ニールチェ・ブーゲルト博士は、鳥に視線を集中させることが抑止力として働く可能性があると説明する。

「カモメは人間の視線を嫌悪するので、じっと見つめられていると餌に近寄る可能性が低くなります」(ブーゲルト博士)

 人間はもちろんトビやカモメにも効くというアイコンタクトのパワーを活用しない手はないのかもしれない。

参考:「Daily Mail」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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