【異常事態】1週間たらずで「1000年に一度の豪雨」が4度も…!アメリカを襲った気候変動の“本当の恐怖”

テキサスで川が氾濫し、ノースカロライナとニューメキシコで鉄砲水が発生、そしてイリノイで記録的な豪雨が降った。わずか1週間足らずの間に、アメリカ全土で「1000年に一度」レベルとされる豪雨が少なくとも4回も発生したのだ。
特定の年に発生する確率がわずか0.1%とされる異常な豪雨が、これほど短期間に集中するのは、まさに前代未聞の事態である。非営利団体「クライメート・セントラル」の科学担当副代表であるクリスティーナ・ダール氏は、「たった一つの豪雨でさえ記録破りなのに、それが国の複数の場所で1週間のうちに起きるのは、さらに憂慮すべきことです」と警鐘を鳴らす。
多くの専門家は、このような異常気象が気候変動によって「新たな日常」になりつつあると指摘している。
各地で壊滅的な被害、鉄砲水が町を飲み込む
この1週間で起きた災害の爪痕は、あまりにも大きい。
テキサス州: 中央部のヒル・カントリー地域で壊滅的な鉄砲水が発生。グアダルーペ川はわずか90分で6メートル以上も水位が上昇し、道路を洗い流した。この洪水で、6つの郡で少なくとも120人の命が奪われた。
ノースカロライナ州: 熱帯低気圧シャンタルの影響で、一部地域では24時間で300ミリ近い豪雨を記録。広範囲で深刻な洪水被害が出ている。
ニューメキシコ州: 山間の村ルイードソを鉄砲水が襲い、少なくとも3人が死亡。この地域は昨年の山火事でできた「焼け跡(バーンスカー)」の影響で土壌が水を吸収しにくくなっており、被害を拡大させたとみられている。
イリノイ州シカゴ: 同じ日、ガーフィールド公園周辺ではわずか90分で127ミリの雨が降り、都市部で複数の救助活動が行われた。
なぜ豪雨は激しさを増すのか?
専門家によれば、「1000年に一度」という言葉は、あくまで確率論だ。ある特定の場所で起きる確率は低いが、アメリカ全土という広大な範囲で見れば、毎年どこかで発生していても不思議ではない。しかし、問題はその「頻度」と「激しさ」である。
気候変動が、こうした極端な豪雨をより強力なものにしていると多くの科学者が見ている。その物理的な仕組みは比較的シンプルだ。大気は、温度が高ければ高いほど、より多くの水分を含むことができる。研究によれば、地球の気温が約0.56℃上昇するごとに、大気中の水分量は3〜4%増加するという。
より多くの水分を含んだ大気は、一度に大量の雨を降らせる「水の爆弾」のようなものだ。これが、近年の豪雨が激しさを増している大きな理由なのである。

今回の一連の災害は、気候変動がもたらす壊滅的な影響をまざまざと見せつけた。
ダール氏は、「ニュースでは次々と新しい出来事が報じられ、過去の災害は忘れられがちです」と語る。「しかし、被災した人々にとって、そこからの回復は本当に何年もかかるプロセスなのです」。
異常気象は一過性の出来事ではなく、世界中のどこにでも起こりうる現実である。地域社会を守り、被災した人々を長期的に支えていく仕組みづくりが、いま各国に求められているのかもしれない。そしてこの問題は遠いアメリカだけの話ではない。異常気象のリスクは日本にも迫っており、決して対岸の火事ではないのだ。
参考:NBC NEWS、ほか
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